■クレームの状況
通販会社にあるコールセンターでのクレーム事例です。30代主婦の方から、通販会社に対し、電話でクレームがきました。
このお客様は、通販会社で下着を購入し、配送してもらいました。しかし、その日たまたま不在にしていたら、日頃からあまり仲の良くない隣の家に届けられてしまったのです。
さらに、あろうことか、この下着が入った荷物は、自分の手元に届くまでに、その隣人によって開封されてしまいました。
この件に関して、お客様は、すごい剣幕で、あなたがオペレーターとして勤めている通販会社のコールセンターに電話をかけてきました。
さて、あなたならどのように対応しますか?
■クレーム発生の原因
この事例は、他人の荷物を無断で開封してしまった隣人の方にも問題がありますが、「下着」という配送物の中身を考えずに、安易に隣人に荷物を預けてしまった運送会社側にもミスがあります。
また、こうしたトラブルを未然に予測し、委託している運送会社に的確な指示をしていなかった点においては、自社(通販会社)も委託した責任を免れないでしょう。
その2点を踏まえた上で、この件に関して具体的にどのように対応するべきかについて考えてみたいと思います。
■具体的な対応方法
1.まずは、お客様のお話をよく聴き、「この上ないご不快な思いをされた
こと、ごもっともでございます」と、お客さまに無用の不快感を与えたと
いう事実を重く受け止め、誠心誠意お詫びをします。
2.そして、電話で一度お詫びをした後で、可能であれば、ミスを起こした
運送業者を帯同して、自社の社員(部長や課長などの責任者)が再
度、お詫びに伺います。
3.さらに、迅速に、真新しい下着とご迷惑をおかけしたお詫びの品をお
届けします。この場合、郵送するのではなく、自社の社員が直接品
物をお届けするのが好ましいです。
4.最後に、ミスが起こった原因を究明し、調査結果を自社・関連会社で
共有し、再発防止に努めます。
■クレーム対応のポイント
このクレームでは、お客様の立場に立って心情を理解し、それに基づいて対応を行うことがポイントです。
自分が買い物した会社のことを他の人に知られることでさえ、あまりいい気はしませんが、この場合は下着を隣人に見られた訳ですから、恥ずかしさ、怒りは相当のものだと思います。
そのような状況を十分に考慮し、たとえ自社に大きな責任がなくても、お客様が、あなたの会社に腹を立てて、「まさに今、電話をかけてきている」という事実を重く受けとめましょう。
■クレーム対応ステップアップレッスン
怒っているお客様に対する対応方法
・絶対に話を途中でさえぎらない
・お客様がお怒りのことをすべて吐き出していただく
→話をすると、怒りは徐々に収まっていく
・お怒りの内容に共感を示す
→あいづちや共感の声かけを行う
・お客様が冷静になってきてから、本題に入る