クレーム対応の勘所

 【ケーススタディ:業種別クレーム対応法】

クレーム対応の勘所

≪第1回≫ 「商品に対するクレーム(流通業)」

ケーススタディ:業種別クレーム対応法

≪第1回≫ 「商品に対するクレーム(流通業)」

■「ケーススタディ:業種別クレーム対応法」(計6回)

【第1回】商品に対するクレーム(流通業)
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【第2回】配送ミスに関するクレーム(流通業、通販業)
【第3回】接客応対でよくあるクレーム
     (飲食店、物販店、金融業、外食産業、官公庁など)
【第4回】お客さまが一方的に負担を強いられていると感じた場合に
            発生するクレーム(建設業、鉄道会社、電話会社、官公庁など)
【第5回】お門違いなクレームへ(全業種)
【第6回】「自社のミス」が「脅迫まがい」のクレームになった場合(全業種)


【クレーム状況】

あなたはお花屋さんの店長です。夏のある暑い日に、40代女性が来店されました。

「母親の誕生日の当日、午前中にお店で花を購入し、夕方遅くにプレゼントしたところ、お花が少し痛んでいた。 そのため、せっかくプレゼントしたのに、あまり喜んでもらえなかった」

というもので、大変ご立腹されています。


【クレーム発生原因】

お花屋さんとしては、品質の良い花を選び、お客さまに差し上げたわけですが、実際にお客さまがお花を使用した時間は夕方であり、それまでの間、涼しい場所で水を入れたバケツにお花を入れておくなどのケアを怠ったため、お花が少し痛んだというのが原因です。


お店側としては、

「長時間花を保管する場合、水にひたしておくのは常識で、夏の暑い日にそのまま放っておけば、傷んでしまっても当然だ」

と考えるかもしれません。

しかし、そんな「お店側の論理」を持ち出してもクレームは解決せず、さらにクレームを大きくしてしまうばかりです。

この際のクレーム対応のポイントは、まず、応対者が「せっかくお花を買いプレゼントをしたのに、喜ばれなかった」というお客さまの悔しく残念な心情を、十分に汲み取り、それに共感することです。


【具体的な応対方法】

1.心情理解

まず応対者は、お客さまの心情を十分に理解していることを伝えるため、「お母さまの誕生日が台無しになってしまい、大変残念です」とお伝えします。

2.傾聴

その後、お客さまのお話を詳しくお聴きします。

3.事実確認

次に、「事実の確認」として、お花を買われた時間、それを使用した時間と状況の確認を行ないます。商品に関するアドバイス(花の保管方法など)をする場合は、お客さまとの信頼関係ができつつあるこの場面で、さりげなく行いましょう。

4.謝罪

さらに、「解決策」として、新しいお花をご用意するか、代替品を用意しない場合も、謝罪とともに、分かりやすい言葉でしっかりとした根拠を示し納得していただきます。

5.再発防止の徹底

最後に、再発防止策として、 お花をお渡しする際の「注意事項」を各店員に徹底することも忘れずに。

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