クレーム対応の勘所

 【ケーススタディ:業種別クレーム対応法】

クレーム対応の勘所

≪第2回≫ 「配送ミスに関するクレーム(流通業、通販業)」

ケーススタディ:業種別クレーム対応法

≪第2回≫ 「配送ミスに関するクレーム(流通業、通販業)」

■「ケーススタディ:業種別クレーム対応法」(計6回)

【第1回】商品に対するクレーム(流通業)

【第2回】配送ミスに関するクレーム(流通業、通販業)【今回】
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【第3回】接客応対でよくあるクレーム
     (飲食店、物販店、金融業、外食産業、官公庁など)
【第4回】お客さまが一方的に負担を強いられていると感じた場合に
     発生するクレーム(建設業、鉄道会社、電話会社、官公庁など)
【第5回】お門違いなクレームへ(全業種)
【第6回】「自社のミス」が「脅迫まがい」のクレームになった場合(全業種)


【クレーム状況】

30代主婦からの通販会社に対する電話によるクレーム。通販会社で下着を購入し配送してもらったが、不在であったため、日頃から、あまり仲の良くない隣の家に届けられた。さらに、下着が入った荷物は、自分の手元に届くまでに、その隣人によって開封されてしまった。

この件に関して、お客さまはすごい剣幕で、あなたがオペレーターとして勤めている通販会社のコールセンターに電話をかけてきた。


【クレーム発生原因】

この事例は、他人の荷物を無断で開封してしまった隣人に問題がありますが、「下着」という配送物の中身を考えずに、安易に隣人に荷物を預けてしまった運送会社側にもミスがあります。

また、こうしたトラブルを未然に予測し、委託している運送会社に的確な指示をしていなかった点においては、自社(通販会社)も委託責任を免れないでしょう。


【クレーム応対のポイント】

自分が買い物をした会社のことを他の人に知られることでさえ、あまりいい気はしませんが、この場合は下着を隣人に見られた訳ですから、恥ずかしさ、怒りは相当のものだと思います。

そのような状況を十分に考慮し、たとえ自社に大きな責任がなくても、お客さまがあなたの会社に腹を立てて、「まさに今、電話をかけてきている」という事実を重く受けとめましょう。


【具体的な応対方法】

1.お客さまのお話をよく聴き、お客さまがお怒りになるのが当然の場合は、「この上ないご不快な思いをされたこと、ごもっともでございます」と、深く同意する。

2.お客さまに無用の不快感を与えたという事実を重く受け止め、誠心誠意お詫びする。

3.電話で一度お詫びをした後で、可能であれば、ミスを起こした運送業者を帯同して、自社の社員(部長や課長などの責任者)が再度、お詫びにうかがう。

4.迅速に、真新しい下着とご迷惑をおかけしたお詫びの品をお届けする。この場合、郵送するのではなく、自社の社員が直接お届けするのが好ましい。

5.ミスが起こった原因を究明し、調査結果を自社・関連会社で共有。再発防止に努める。

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