クレーム対応の勘所

 【ケーススタディ:業種別クレーム対応法】

クレーム対応の勘所

≪第4回≫ お客さまが一方的に負担を強いられていると感じた場合に発生するクレーム

ケーススタディ:業種別クレーム対応法

≪第4回≫ お客さまが一方的に負担を強いられていると感じた場合に発生するクレーム

■「ケーススタディ:業種別クレーム対応法」(計6回)

【第1回】商品に対するクレーム(流通業)

【第2回】配送ミスに関するクレーム(流通業、通販業)

【第3回】接客応対でよくあるクレーム
     (飲食店、物販店、金融業、外食産業、官公庁など)

【第4回】お客さまが一方的に負担を強いられていると感じた場合に
     発生するクレーム(建設業、鉄道会社、電話会社、官公庁など)【今回】
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【第5回】お門違いなクレームへ(全業種)
【第6回】「自社のミス」が「脅迫まがい」のクレームになった場合(全業種)


【クレーム状況】

50代男性からガス会社の工事責任者であるあなたに
「工事の音がうるさい」
と電話がありました。お話を聞くと、男性のお宅の近所でガス工事があり、朝8時から夜8時までずっと工事が行われているとのことです。
 
あなたは男性に、ガス管の老朽化が進んでおり、工事は必要なので中止できないと伝えましたが、それでもご納得頂けません。


【クレーム発生原因】

「工事の騒音」がクレームの原因であることは明確ですが、公共工事を中止する訳にはいきません。しかし、お客さまの気持ちも十分に理解できます。


【クレーム応対のポイント】

こんな場合のクレーム対応のポイントは、

1.お客さまの心情を理解するために、とにかく、たくさん話を聴く。
2.どこの工事か事実の確認を行う。
3.工事の意義を説明する。
4.負担を軽減する方法を考える。

という4点です。


【具体的な応対方法】

1.お客様がクレームを仰っているには何らかの事情がある可能性が高いと思われます。例えば、子供さんが受験勉強をしているとか、自分やご家族が病気で療養されているなど。そのような事情をお聞きしながら、お客さまの心情を理解し、そのことに深く共感しましょう。

2.お客様の心が、幾分和らいだら「何月何日の何時ごろ」「どの場所」で行なっていた工事が問題となっているか確認して下さい。同じ会社でも様々な場所で同時にたくさんの工事を実施している場合があります。現場の特定が出来ないと、対応ができません。

3.お客さまの心が和らいだのを再度確認した上で、工事の必要性をよくご理解して頂きます。それとともに、今後、騒音をなるべく出さないように心掛けることを伝えましょう。

4.「工事をやめる」という解決策は通常提案できません。しかし、ご負担を軽減させることはできます。
例えば、工事の場合、騒音を出す機械の場所をその方の家からできるだけ遠くに置いたり、防音機器を導入するなど、改善措置をできるだけ模索し、実現できるのであれば、後日折り返し、お客さまにその旨を伝えて下さい。

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