■お客様の期待水準を下回るとクレームが発生する
一般的に、クレームは、商品やサービスに対するお客さまの「一定の期待水準」を大きく下回った時に発生します。
例えば、あるお客さまAさんが居酒屋に入ってビールを注文したと想定してみましょう。
ビールは調理する必要がなく、ただ、グラスに注いで持ってくればいいわけですから、Aさんは最低でも「5分以内には持ってくるはず」との「期待水準」を持っています。
しかし、「10分」が経ち、さらに「15分」待ってもビールを持ってこない場合、「どうなっているのか!」ということで、Aさんは怒ってしまうでしょう。
つまり、「お客さま自身の期待水準」を「下回る」と、「不満」が生まれ、その不満が積み重なり、お客さまの「期待」が完全に裏切られ、ガマンが限界に達したその瞬間、「クレーム」が生まれるのです。
■クレームは必ず発生する!二度とクレームを起こさないことが重要
自社の商品・サービスに自信を持つのは良いことですが、お客さまは様々な方がおり、多種多様な「期待水準」をもっているので、それをすべて満足させることは不可能です。
また、サービスや商品にどれだけ注意していても、「お門違いなクレーム」のように、その発生を防ぐ事ができないものも増えてきました。
よって、商品・サービスを充実させてクレームを完全に無くすという考えよりは、「クレームは必ず発生する」という前提に立ち、起こったクレームをしっかり調査・記録して対応策を検討し、その結果をマニュアル化して、あらゆるタイプのクレームに対応できるよう備えるのが現実的です。
重要なのは「二度と同じクレームを起こさない」ことです。
■「クレーム対応が上手にできない3つの理由」
パニックで冷静な判断ができなくなっていることも多いと思いますが、特に、お客様をクレームへと発展させてしまう主な理由は以下の3点です。
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│1.【理由1】お客様が困っていることに対して「お詫びできない」
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◆お詫びができないとクレームに発展する
実際に「お詫び」ができないのは、急に発生したクレームで頭がパニックになり、頭で思っていた通りの対応ができないのが理由だと思います。
クレームに対して反射的に身構えてしまって、「お詫び」という、一見して自分に不利な行動ができないのです。
しかし、お詫びができないと、お客様に「対応が悪い」という印象を与えてしまいます。
その結果、クレームの悪化や、二重クレームが発生してしまうことも少なくありません。
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◆最近はお詫びができない人が増えた
また、「最近はきちんとお詫びができない人が増えた。昔はこんなことはなかったんだが」ということがよくいわれます。
なぜ、最近になって、こんな当たり前のことができなくなってきたのでしょうか?
これは推測ですが、昔(私自身そんなに歳ではないですが)から、日本の家庭では「ありがとう」「ごめんなさい」と「言葉に出して言う」ことが、躾(しつけ)の一環として、子供の頃から繰り返し、繰り返し、いわれてきました。
「お詫びをする」ことを自然と体が覚えたのでしょう。
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◆毎日1分でできる「お詫び」練習
お詫びができなければお詫びの練習をするのが効果的です。
誠意のこもった「お詫び」を言えるようになるためには、声に出して「お詫び」をする練習を繰り返し、繰り返し、実施するのが一番の早道です。
「ご不便をおかけしまして、誠に申し訳ございません」
「お時間を取らせてしまいまして、申し訳ございません」
「せっかく当社の製品をお使いいただきながら、誠に残念です」
こういったことを声に出して、はっきり言う練習が効果的です。まずは「言い慣れる」ことを目指しましょう!
※来週は、クレームが起こるその他の要因についてお届けします。