■職場でのクレーム情報の共有を進める
職場でのクレーム対応について書きましたが、なかなかすぐには職場でのクレーム対応体制はできません。
トラブル・クレーム情報は、同じ職場でもなかなか共有されない性質があります。誰でも過ぎた苦痛は忘れてしまいたいものです。
ましてクレーム対応マニュアルをつくるなどといいうのは、一番後回しの仕事になりがちです。
そこで、即効性のある対策として、月1回、1時間程度の職場内クレーム対策会議を開きます。
クレーム対策会議はクレームだけを議題にして話し合うもので、クレーム情報・対応策の共有を目的として実施します。
他の議題と平行した会議にしないようにして下さい。
会議の中では、過去1ヶ月間で自分が対応したクレームについて、その対応策、顛末を含めて、各自発表します。
会議の目的は、
1.クレーム情報の共有
2.改善策検討
3.クレーム対応のスキル強化
の3つです。
当然、手に汗握るクレーム対応を発表するわけですから、参加者のみなさんは発表にかなり熱が入ります。それを聞いているだけで、どんなマニュアルを読むより、容易にクレーム対応スキルを向上させることができます。
当然ながら、各自、自分のクレームに関しては、記録を取っておき、書面を元に発表します。
■3ヶ月でクレームの減少を実感できる
この会議を開催して3ヶ月も経つと、職場のクレーム対応スキルは相当上がってきます。1年も続ければ、クレームの90%は洗い出されます。
・どのクレームの頻度が一番高いか
・どのクレームが対応するのが難しいか
など、社内のクレームに関する情報が職場のメンバー共通の認識になります。
その結果、クレーム対応策も実施され、クレーム対応スキルも向上しますから、結果的にはクレームを大幅(場合によっては)に削減することが可能です。クレーム件数をカウントすることで、会議の効果を実感することができます。
■会議の中でロールプレイングを行うと効果的
会議の中で、クレーム応対者とクレームを申し立てる人に分かれて、クレーム対応のロールプレイングを実施しても良いと思います。
クレーム応対者というのは、克明にクレームの内容やお客さまの「言い方」「表情」などを覚えているものです。
そこで、クレームを受けた者がその内容を再現し、別の者がクレーム対応の練習を行うのです。迫真の演技ですから、一番の練習になります。
組織のクレーム対応能力の向上は、やはり個人個人の能力の向上なくしてはあり得ません。
~クレームが発生する要因、対応の基本手順などを実践演習とともに学ぶ!
~お詫びだけではなく、こちら側の言い分を伝え、ご納得いただくスキルを習得!
~クレーム電話応対力を頭と体で強化していただきます!