■「服が汚された! クリーニング代を出せ!」と言われたケース
弊社の社員が前職時代に経験した話です。
開店まもなく来店されたお客さまが席につき、食事をされた後です。突然スタッフが、そのお客さまに呼ばれました。話を伺うと、「テーブルの裏側にチョコレートがついていて、ズボンにチョコレートがベッタリついてしまった! 急いでいるため、今日はそのまま出かけるが、クリーニング代を出してほしい」とのことでした。
クレーム発生時、店長は不在でした。そのスタッフは動揺しつつも、とにかくお客さまの話をおききしましたが、その方はお急ぎだったため、取り急ぎ店長と電話で話をしていただきました。その結果、一次対応としてクリーニング代1万円をお客さまに渡すことなりました。そして、お客さまのお名前と連絡先をいただき、食事代も請求せず、お帰りいただきました。
ところが後日、他店舗にて同手口・同名前でのクレームが発生したのです。確認すると、連絡先住所と電話番号も偽装であることがわかり、悪質な詐欺であることが判明しました。
■悪質なクレーム・詐欺にあった際の対処法(注意点)
この事件から学ぶことはたくさんありました。それが次の6点です。
1.冷静になり、相手の話をとことん聴く
2.相手に冷静さを取り戻していただく
(クレーマーや詐欺は始めから冷静な場合が多い)
3.会話の中で復唱し、経緯に疑問・矛盾な点がないか確認する
(日頃の店舗内清掃に自信があれば、気づく可能性が高い)
4.その場で判断・対応しない(その場の現金やり取りは、もちろんしない)
5.経緯をモレなく報告する
6.店舗内・会社内でクレーム対処法を共有する
動揺していると、なかなかこの通りにはいきません。また、こちらが本当にご迷惑をおかけしたお客さまと、このような悪質な相手を見抜くのは難しいと考えられるかもしれません。
しかし、だからこそこの手順はとても重要になります。インソースのクレーム対応研修でお伝えしている4つの基本手順と併せて、しっかりとした対応ができるようにしたいものです。