■クレーム状況
あなたは生花店の店長です。夏のある暑い日に、40代女性が来店
されました。
「母親の誕生日の当日、午前中にお店で花を購入し、夕方遅くに
プレゼントしたところ、お花が少し痛んでいた。そのため、せっかくプレ
ゼントしたのに、あまり喜んでもらえなかった」
というもので、大変ご立腹されています。
■クレーム発生原因
店舗側としては、品質の良い花を選び、お客さまに差し上げたわけ
ですが、実際にお客さまがお花を贈られた時間は夕方でした。
それまでの間、お客さまが、涼しい場所で水を入れたバケツにお花を
入れておくなどのケアを怠ったため、お花が少し痛んでしまった
ようです。
■クレーム応対のポイント
店舗側としては、
「長時間花を保管する場合、水にひたしておくのは常識で、夏の
暑い日にそのまま放っておけば、傷んでしまっても当然だ」
と考えるかもしれません。しかし、そんな「店舗側の論理」を持ち出し
てもクレームは解決せず、さらにクレームを大きくしてしまうばかり
です。
この際のクレーム対応のポイントは、まず、対応者が
「せっかくお花を買ってプレゼントをしたのに、喜ばれなかった」という
お客さまの悔しく、残念な心情を十分に汲み取り、それに
共感することです。
■具体的な応対方法
1.心情理解
まず対応者は、お客さまの心情を十分に理解していることを伝える
ため、「お母さまの誕生日が台無しになってしまい、大変残念です」
とお伝えします。
2.傾聴
その後、お客さまのお話を詳しくお聴きします。
3.事実確認
次に、「事実の確認」として、お花を買われた時間、それを使用した
時間と状況の確認を行ないます。商品に関するアドバイス
(花の保管方法など)をする場合は、お客さまとの信頼関係が
できつつあるこの場面で、さりげなく行ないましょう。
4.謝罪
さらに、「解決策」として、新しいお花をご用意するか、代替品を
用意しない場合も、謝罪とともに、分かりやすい言葉でしっかりと
した根拠を示し、納得していただきましょう。
5.再発防止の徹底
最後に、再発防止策として、お花をお渡しする際の「注意事項」を