■お客様がムリな要求をしてきたケース
うちのシステムは、納品が完了した後は、諸々の変更ができないことになっています。しかし今回、お客様A社から処理手順の変更をしたいと強い要望がありました。原因はお客様側の確認漏れでした。うちは、ルール通り変更ができないので、このようにお伝えしました。
「こちらとしてはこれ以上の対応はできません」。
するとA社は「多額の金を支払っているんだからなんとかしてくれ」とおっしゃって、押し問答となってしまいました。結局、もうA社からお仕事をいただくことはできなくなってしまいました。
■相手に非があるからといって・・・
もともと非があるのは確認を怠ったお客様側。なので、できないことを「できない」と言っただけ、なのですよね。
でも、相手に非があるからといって、相手の言い分や都合を聞かずに、こちら側の都合だけで話を押し通してしまっては、やはりトラブルの原因になってしまいます。
■まずは相手に不満や不安をおっしゃっていただく
まずはとにかく相手の話をきちんと聴くことが重要です。今回のようなケースでは、まずは「何でもお話しください」と、相手の言い分を深く聴いたうえで、「ご事情はよくわかります」と相手の思いを察する言葉をかけ、「一緒に考えていきましょう」と安心してもらって当方の考えを伝えることが重要です。
大事なのはプロセスです。相手に不安や不満を全部吐き出してもらって落ち着いていただいてから、当方の言い分を言うことが必要なのです。先方にも当社にも言い分がありますが、ムリなものはムリ、と突っぱねず、「良いシステムを作る」という同じ目的に向かって動く共同体として、妥協点を見つけようとして努力している、と相手に認識してもらうことが重要です。
■「この人は理解してくれている」と思ってもらう
このような対応をするうえでポイントとなるのは、いかに相手に「この人は理解してくれている」と思わせるかです。あいづちや復唱、うなずきなどの動作を入れることだけで相手の心象は変わります。こうすることによって、自社を「敵ではなく味方である」と伝えます。
「できないものはできない」という原理原則にとらわれず、あくまで「良いシステムを作る」という前提を思い出しながらの対応が重要です。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方