【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【5】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、その本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
■事実確認のミスがクレームを大きくする
市 民 「いつもの時間にゴミの収集が来ない。どういうことだ!」
応対者 「はい、申し訳ございません。至急担当に連絡いたします。場所はどちらでしょうか?」
市 民 「○○のところだ。早くしてくれ!」
応対者 「かしこまりました。大至急連絡して、すぐ向かわせます」
(担当部署に連絡すると、悪天候のため全域で収集が遅れていることがわかった。しかし、お電話いただいた方のご連絡先をうかがっていない。そして1時間後・・・)
市 民 「まだ来ていないぞ! 俺の言うことを無視しているのか!」
応対者 「申し訳ございません。悪天候で収集が遅れております」
市 民 「そうならそうだと早く言ってくれよ! 生ゴミだから回収車が来てから出そうと思ってずっと待ってたんだぞ!」
このケースでは、クレームの対応時にあわててしまい、詳しく話をお聞きしないうちに「解決策=とにかくすぐに収集に向かわせる」ことを提示してしまったことが一番の問題です。
■あわてて確認もれを起こさないよう気をつける
(1)何が問題になっているか
(2)お客さまのご要望は何か
を、あわてずに、冷静になって、「通常通り」に対応すれば、このクレームは大きくならずに済んだはずです。
このように、クレームを受けた一次応対者があわててしまい、何が起こっているのかさっぱりつかんでいないことがよくあります。当然、事実確認がきちんとできていないと、クレームは解決できません。
その際、「事実確認」という言葉は、取り調べの印象を持たれ、不快に感じる人がいるのでNGです。「事実確認をさせていただきたい・・・」と言うのではなく、「詳しくお話をお聞かせいただけませんか」とお伝えします。
■「おそれ入りますが」とひと言添える
事実確認では、「何が問題なのか」「お客さまは何を伝えたいのか」を、質問もはさみながら聞き出していくのがポイント。事実を事実として押さえていくと、お客さまが抱えている問題がわかり、適切な対応が取れるようになります。
ただし、聞くことが大切だとしても、事務的であったり、尋問調になっては、さらなるクレームにつながってしまいます。必ず、「おそれ入りますが」とひと言添えるようにしましょう。
また、お客さまのおっしゃることをありのままにつかむのは、案外、難しいことです。「お聞きした内容を間違えることもある」という前提で聞くことも大切です。
お話を聞いたあと、「ここまでの確認ですがよろしいでしょうか」とお尋ねして要約や復唱をし、聞き取った内容に間違いがないかを確認しましょう。これは聞き手としての責任を伝えることにもつながります。
お客さまとの間で言葉の認識が違うと対応を誤ってしまうことがあります。お客さまはどんな意味でその言葉を使い、どんな心情でおっしゃっているのかを探りましょう。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方