【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【6】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版!「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、その本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
■クレーム対応4つの基本手順
クレーム対応には4つの基本手順が存在します。どのようなクレームでも、この手順に従えば、ほとんどの場合は解決できます。
手順1 当事者である意識を強く持つ
手順2 お客さまの心情を理解し、不快にさせたことをお詫びする
手順3 解決すべき問題・ご要望の確認を行う
手順4 問題の代替案・解決策を冷静に提示する
■手順1:当事者である意識を強く持つ
手順1の当事者意識をもつというのは、自分が直接関与していないことであっても、常に「自分は組織を代表する責任者」という意識で対応するということ。クレームは組織に対して寄せられるものも多くあります。「自分は関係ない」という態度はお客さまに不安を与え、不満を増幅します。お客さまが頼れるのは自分だけであるという自覚を持ちましょう。
■手順2:お客さまの心情を理解する
クレームを言うお客さまには感情を害した理由が必ずあるので、お客さまの立場に立って「共感」し、心情を理解する言葉をかけます。
お客さま 「君のところの製品で、子どもがケガをしてしまったよ」
応対者 「それは大変でございます!お子さまのおケガの具合はいかがでございますか?」
自分の家族や親しい友人がケガをしたときの状況を思い浮かべながら言ってみてください。そのような場合にたんたんと言えますか? 無表情で言えますか?たぶんそうはできないと思います。この場合のポイントは「身内の不幸に遭遇したように対応すること」です。
お客さまの話をよく聞き、誠実な態度で臨み、心情を理解して行動で示すよう心がけましょう。
■手順3:原因・事実・要望の確認
何が問題になっているかお客さまのご要望は何かを詳しくお聞きします。クレームがこじれてトラブルになる原因として、事実確認をおろそかにしている場合が多いからです。その際には「おそれ入りますが」と一言そえてお聞きします。
クレームがなかなか解決しない原因にお互いの常識が異なるということがあります。「○○については××でございますね」など、事実確認時には、お客さまとの常識のすり合わせをします。
「プロ」に話しているという安心感を持っていただきながら情報収集をするのです。
■手順4:解決策の提示
お客さま「やっと商品が届いたと思ったら、キズがついていたぞ」
応対者 「はい、それではお取り換えいたします。着払いでこちらにお送りください」
お客さま 「取り換えればいいというものではないだろう!」
この場を逃れたいと思って、とりあえずの解決策を提示してしまうことがよくありますが、そういった姿勢はすぐにお客さまに伝わります。「そういう問題じゃない」「真剣に考えてくれていないのではないか」とお客さまがお怒りを深めて、二次クレームを招きます。
お客さまの気持ちが晴れないと、解決策は受け入れられにくいもの。解決策の提示は最後にするべきです。
このような手順に従って対応すれば、ほとんどのクレームは解決します。二次クレームを発生させないためには、お客さまは「怒って」いると考え、まずは「3分間話を聴く」姿勢で対応しましょう。いきなり解決策を提示したり、自分の立場を主張したり、お客さまの神経を逆なでしてしまわないように注意しましょう。
☆次回もお楽しみに。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方