クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、その本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 自分の常識で判断したことがクレームに
お客さまが住所・氏名などを記入して提出された申込用紙が間違っていたため、別の用紙をご案内し、間違われた分をシュレッダーにかけて廃棄しました。しかし、しばらくたってお客さまが窓口においでになり、「前に提出した申込用紙はどうしたのか?」と尋ねられたので、「個人情報が書いてございましたので、シュレッダーにかけました」と答えると、「私に断りもせずに、なんで処分したのか」と激しくお怒りになりました<自治体>
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■自分の勝手な判断を謝罪する
自分にとっては「ゴミ」、ましてや個人情報の記入されたものなら、個人情報の漏えい防止のため、すぐシュレッダーにかけるというのはよくあることです。
「自分は悪いことをしていない」―そんな気持ちでいっぱいだと思います。こんなときは、「自分の常識と他人の常識は異なる」ということをしっかり認識すべきです。
今回のようなケースでは、「お客さまにお断りもせずに処分をいたしまして、誠に申し訳ございません」と、お客さまへの配慮がなかった点と、処分方法はお客さまが判断されるものであるのに、当方の勝手な判断で処分したことを謝罪します。
■その都度、お客さまに確認を取る
自分ではよかれと思ってしたことでも、クレームの原因となることがあります。
自分の勝手な思い込みで対応するのではなく、どんな場合にも、
「○○については、いかがいたしましょうか」
など、その都度お客さまにお断りやおうかがいをし、お客さまの考えを踏まえた対応をしなければなりません。
■感覚的なクレームに注意
音、臭いといった感覚的なものに対して「標準」「基準値以下」などの言葉は厳禁です。これらは、お客さまの感覚が異常だと言っているのと同じことになるので、お客さまの心情を理解して、言葉をかけましょう。
☆次回もお楽しみに。