【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【14】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、今週もその本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 形見の品を壊してクレームに
引越し作業中のミスにより、ロープがゆるみ、家具を落としてしまいました。その結果、お母さまの形見として大事にしていた家財道具一式が使いものにならなくなってしまいました〈引越業者〉。
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■サプライズ(驚き)と頻度(訪問)で誠意を見せる
本件は、最悪のトラブルの一つです。お母さまの家財道具一式は元通りにはなりません。お金では代えられないものを、自分たちのせいで台無しにしてしまったわけです。お客さまの心の痛みは想像を絶するものがあります。そして、お怒りの激しさも、大変なものがあると思います。
このような取り返しのつかないミスは、何度も何度も訪問し、最大限、当方の誠意を見せるしかありません。何回も足を運んで、お客さまの想像を超えた頻度・熱意で対応します。「来なくていい」と言われるまで100回でも200回でも行くという覚悟が必要です。また、しかるべき立場の人間の早期訪問も必須です。
加えて、補償もお客さまの想定を超えたレベルで、「ここまでしてくれた」と言われるぐらいの対応が必要です。
同等以上の価値のある品物の贈呈などが必要となりますが、社会通念を大幅に超えた額にすべきではないでしょう。コンプライアンス(法令順守)の観点からも、誤った対応はすべきではありません。その際は、法令、社会通念を守り、かつお客さまの心情に訴えるプラスアルファの対応がポイントになります。
■金銭の支出があれば「示談書」をもらう
金銭の支出が発生する場合、額の多寡にかかわらず「示談書」「和解書」などを取り交わす必要があります。
金銭の支払い後、同じ件でクレームが再燃するのを防ぐのに有効です。法務部門や弁護士とも早めに連携して対応してください。
■クレーム対策会議を開いてクレームを減らそう
トラブル・クレーム情報は、ある意味失敗の情報でもあり、同じ職場でもなかなか共有されない性質があります。そこで、即効性のある対策として、月1回、1時間程度の職場内クレーム対策会議を開きます。会議の目的は、次の3つで、進行もほぼこの順になります。
(1)クレーム情報の共有
(2)改善策検討
(3)クレーム対応のスキル強化
会議の中では、各自が過去1カ月間で自分が対応したクレームについて、その対応策、顛末も含めて発表し、情報を共有します。手に汗握るクレーム対応が発表されるわけですから、それを聞いているだけで、どんなマニュアルを読むより、クレーム対応技術の向上につながります。当然ながら、クレームに関しては、もらさず記録を取っておくようにし、書面をもとに発表します。その後改善策を検討し、クレーム対応ロールプレイングを行います。
☆来週もお楽しみに。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方