【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【15】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、今週もその本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 書類不備のため登録を断りクレームに
お仕事の紹介希望でいらっしゃったお客さまに1時間ほどお話をうかがっていたところ、登録用にお持ちいただいた書類に不備があることがわかりました。そのため、すぐの登録とお仕事の紹介はむずかしい旨をお伝えすると、急に激昂され、苦情を申し立ててこられました〈人材派遣業〉。
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■「規則ですから」と言わないこと
自社のルールは、当方にとっては正当な理由があっても、それがお客さまの事情にそぐわないこともあります。規則を盾に取って「決まりなので、いたし方ございません」と強弁することはつつしむべきです。
自分がクレームを申し立てた場面を考えてみてください。対応した担当者に最初から「ルールに従っただけなので」と言われたらどう感じるでしょう。「自分たちの勝手な理屈ではないか」と思うはずです。自分は尊重されていないと感じたら、お客さまの不信感は一気に募り、小さなクレームから大きなクレームに発展してしまう可能性があります。
お客さまには、必ずなんらかの事情があります。その事情を踏まえて対応すべきです。「ご事情をお聞かせください」と、まずうかがいましょう。
■なんらかの対応ができないかを考える
対応できないと即座に決めつけないことも大切です。規則で決まっているため、はじめから「ムリです」という態度になるかもしれませんが、がんばるという姿勢が見えないと、クレームは大きくなってしまうもの。お客さまと一緒に対策を考えることができれば成功です。「よい方法はないか」「双方納得できる対策はないか」、プロとしての業務知識を動員し、ベストな回答を探りましょう。
また、その場で電話して他部門と交渉したりするなど、お客さまに努力の姿勢を見せることも大切です。
残念ながら、いくら方法を考えても、お客さまの要望にお応えできないこともあります。そんなときには、お客さまに「要望は満たされなかったが、一生懸命自分のために考えてくれた」「悪いのは規則、応対者は悪くない」と感じていただくことが、スムーズな解決につながります。これはベテランの「必殺技」ですが、必要なのは、「テクニック」ではなく、「誠意」です。
また「できない」と判断した経緯については、お客さまに対し丁寧に説明し、納得していただく必要があります。「規則ですからできません」「前例がございませんので」などと答えるのではなく、たとえば、このケースでは「人材を希望されるクライアントの企業さまに提出するデータ作成ができませんので」など、お客さまご自身で無理であると判断できる形で情報を提供し説明するとスムーズです。
■穏やかに神妙な声で話す
怒っているお客さまを前にして、黙ってしまったり、逆になれなれしい態度を取らないようにしましょう。あくまで穏やかに神妙に話すことが大切です。
■詫び声、お詫びの表情を練習しよう
お詫びの声出し、表情ができないとクレームが大きくなることがあります。お詫びの声出し・表情をつくるトレーニングも有効です。
☆来週もお楽しみに。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方