【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【16】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、今週もその本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 開店時間を知らずに来てクレームに
11時の開店と同時にお客さまが来店され、「10時開店だと思ったから10時前にやってきたのに、なぜこの店は11時開店なんだ!普通は10時開店だろ! この寒い中、1時間も外で待たされた」と大声で怒鳴っています。「そうおっしゃられましても、11時開店と店の前にも書いてございますし・・・」と申し上げましたが、お客さまのお怒りがおさまりません〈小売店〉。
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■最初からお客さまの間違いを指摘しない
「どこどこでは○○をやっている。だからおまえもやれ」
と言われても、できないものはできない。そう思ってしまうのも無理はありません。しかし、それをそのままお客さまに言ってしまうと、クレームは拡大するばかりです。
「私は間違っていない」「悪いのはお客だ」と思って、ムッとした表情をしたり、お客さまの間違いを指摘したりするのは避けましょう。
考えてみてください。お客さまは、朝早い時間に家を出て、ずっとお店の前で待っていてくださったのです。お客さまに対する感謝の気持ちと、寒い中、1時間以上もお待たせしてしまったことをに対して、「寒い中、お待たせして申し訳ございませんでした」と、お声かけし、イスをおすすめしたり、可能なら温かい飲み物などをご提供したりすべきです。
お客さまの不快な感情に「人」として共感し、お客さまの傷ついた心を癒して差し上げる必要があります。こうした心情理解のあとでないと、お客さまに間違いを指摘しても、スムーズに受け入れてもらうことはできません。
■ご要望は「上層部に伝える」ことを約束
お客さまのご要望についてはありがたく頂戴し、あなたが一従業員の場合には、必ず「お客さまの生の声」を上層部に通すという決意を伝えることが大切です。お客さまに、「お客さまのご指摘は、上の者にも伝えさせていただきます」とお伝えしましょう。
そうすることで、お客さまは「自分はないがしろにされていない」という感覚をもつことができ、お店に対してますます愛着をもってくれるものです。すでに開店時間の繰り上げを検討中の場合はその状況もお伝えし、ご理解を得るようにします。
また、同じようなクレームを申し立てたお客さまはいなかったかを確認してみましょう。もしかしたら、開店時間の表示の仕方に問題があるかもしれません。次のクレームの芽を未然に摘み取ることも意識しましょう。
■お客さまの心情理解のポイント
「自尊心」を捨て、お客さまに「人」として共感することが大切です。間違いの指摘はグッと我慢して、心情理解から始めましょう。
(1)いま、お客さまはどう思っているのか
(2)何にお困りなのか
(3)その思いに対して自分はどう声をかければよいのか
などを考えて言葉を発しましょう。
お客さまから評価してもらうには、お客さまからのクレームに対して、組織・会社で対策を検討し、対策検討結果を誠意をもって報告すると「一生懸命やってくれた」とお客さまの評価が得られるものです。
☆来週もお楽しみに。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方