クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。
日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。
それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版!
「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。
この出版を記念いたしまして、今週もその本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 1年間も対応し続けたケース
「以前修理した外壁が漏水する」とのことで、あるお客さまから過去1年間、雨が降るとたびたび過去の修理不具合についてクレームが出されています。
担当者がいくら調査をしても原因も被害の程度もはっきりしません。
担当者は責任感の強いタイプで、お客さまの都合に合わせて、何度も深夜作業をした結果、「もう限界」と言い残して入院してしまいました〈工務店〉。
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■担当者レベルでがんばりすぎないこと
このケースでは、たびたびの夜間の訪問要求や、急な呼び出しにも、担当者は一人で最大限、誠意をもって対応していました。
しかし、現場担当者の対応だけでは、限界がある場合もあります。
あまりにも長期間に及ぶクレームには一人で対応しようとせず、上司などに支援要請することも必要です。
同時に周りも気づいて支援すべきです。
■組織対応で徹底した調査とクレーム情報共有を
住宅や家電などの耐久消費財の商品を扱う場合には、一定期間が経ってからのクレームがあったり、クレーム期間が長引いたりするケースが多く見られます。
クレームを長引かせないためにも、早期に調査を実施し、クレームの原因がどこにあるのか、修理の必要性があるかないか、修理の責任はどこにあるかをはっきりさせることが必要です。
その際は社内の専門家(場合によっては社外の専門家)を交え、原因究明を徹底して実施しましょう。
さらに、クレームの内容やその対応策を記したカルテを作り、情報を蓄積します。
定期的にクレーム対策会議(毎月1回1時間程度)を開き、「ケーススタディ」として組織全体で共有すると効果的です。
組織として同じ轍てつは踏まない、長引くクレーム事例をつくらないことを目指しましょう。