クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版!
「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、今週もその本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 1時間以上も話を聞き続けたケース
店員の接客態度についてお客さまから苦情のお電話がかかってきました。どうやらかなりの量のお酒を飲んでいらっしゃるようで、なかなか話を終えてくれません。そのうち苦情の内容はほかの問題にまで広がっていき、もう1時間以上も話し続けていらっしゃいます〈小売業〉。
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■一定時間話を聞いたら後日対応
泥酔状態のお客さまの話は二転三転する上、事実と異なる場合もあり、要領を得るのがむずかしいものです。また、こちらの話もなかなか伝わらない上に、とにかく自分の意見を通そうとするので、まともに相手をしようとすると疲れてしまいます。
かといって、こちらから電話を切ったり、お引き取りいただくこともなかなかできません。
まずは相手の話を一定時間、10分なら10分と決めてひたすら聞きます。ある程度話すと満足して解放してくれる場合もあります。それ以上に話が長引きそうな場合は、電話番号をお聞きし、翌日、ご連絡する旨を伝え、その日はとにかく会話を切り上げます。
■対応はお客さまの酔いがさめてから
みなさんにも経験があるかもしれませんが、お酒が入ると、普段の自分では考えられないようなことを言ったりしてしまうことがあります。自分のしたことや言ったことを忘れてしまったり・・・。
たいていの場合、お客さまの酔いがさめて冷静になってから説明すると、案外すんなり納得していただけるものです。翌日、お電話を差し上げ、前日お客さまにいただいたご意見、ご要望と、それに対するこちら側の見解や対策をお伝えします。
■どうにもならないときは?
お客さまの怒りが激しすぎる場合は、若手や女性による応対に限り、早いうちに白旗を上げてしまうこともよいでしょう。
「大きな声で怖くて対応できません」
「私にはもう対応できません」
などと言うと怒りのボルテージが下がる場合があるものです。
当然ですが、お客さまが酔って暴れる場合は、危険ですから、警察に連絡をして支援してもらいます。
☆来週もお楽しみに。