【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【29】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「方法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、今週もその本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 融資を断って軟禁されたケース
取引先の社長から「大至急融資してほしい」との依頼がありました。「ご希望額の半分ならすぐご融資できます」と回答して、融資申込書を持参したところ、「希望額全額を融資してほしい」と強く言われました。支店長しか決裁できないと告げると、「支店長を呼べ、来るまで帰さない」と言われ、応接室から出してもらえなくなりました。上司に電話で相談したところ、同僚が多数駆けつけてくれ、話し合いの結果、解放されました〈金融業〉。
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■話をとことん聞いて冷静になっていただく
お客さまのお宅を訪問し、商談がこじれ、会社に帰してもらえなくなる。実は、想像以上に「よくあること」です。ほとんどの場合、一見さんではなく、以前からのお客さまとの間で発生しています。よって、予見しにくいものです。
まずは、冷静に対応することを心がけます。加えて、通常の場合以上に、相手の話をとことん聞く覚悟で対応すべきです。そうした中で、お客さまに冷静さを取り戻していただくのが第一です。
■毅然と対応し安易な約束はしない
自分がパニックになりおびえると、お客さまは一層激しい態度を取るようになります。毅然とした対応を心がけましょう。
お客さまからの依頼事項があれば、「持ち帰って検討」「上司の判断が必要」と回答すべきです。安易な約束はできるだけしないようにしましょう。法律的には拘束状態で強要された契約は無効です。
また、監禁、軟禁されることは予測できないことですし、テレビドラマや映画のように窓から脱出なんてことは現実にはまずできません。ですから、職場の誰かに気づいてもらうのが一番現実的です。
その意味からも、日ごろから直属の上司、同僚に「なん時に、なんの目的で、誰のところに行く」のか、ということを連絡して外出すべきです。こうすることで異変に気づいてもらいやすくなります。
■危険性が高いときは最低でも3名で訪問
クレームへの事情説明やお詫びなどの訪問で、最初から危険性が想定される場合には、複数人数、最低でも3名で訪問し、原則、玄関でお話しします。
中で話す必要があれば、うち1人は外で待機させておきます。その際、事前に携帯の呼び出し方などで、異変が起きたことがわかるサインを決めておくと安心です。
万一、身体に危険が迫っている場合は、迷わず、手段を選ばず、その場から逃げましょう。また、自社や警察に連絡し、救援を呼びましょう。
☆来週もお楽しみに。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方