【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【32】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、今週もその本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
■クレームを激化させてしまう3つのパターン
メールでのクレーム対応も、対面の場合と原則は同じ。その点を理解していないと、クレームは拡大してしまいます。クレームを激化させてしまう人のパターンとして、次の3つが挙げられます。
(1)相手への感謝の念がない
「いつもご利用いただきまして、ありがとうございます」などのお客さまへの感謝の念を示す挨拶なしに、いきなり説明から入ってしまう。
(2)相手の困っている事実がつかめていない
対面のときと同様、相手が何に困っているかを理解する(していることを示す)ことができていない。
(3)相手の期待を超えていない
「申し訳ございません」の一言もなく、自社の事情やできない理由ばかりを書き連ねるなど、誠意を尽くしていることが感じられない、または調査し尽くしていないことがうかがえる文章になっている。
■心情理解と誠意を伝えつつ、事実を書く
メールでの文章は、冷たかったり、ともすれば激しく怒っていたりするように感じられるものです。対面やお電話の場合より、感謝や誠意の気持ちも伝わりにくくなります。
メールでクレーム対応をする場合には、お客さまの心情を理解していることや、こちらの誠意が伝わるように言葉を尽くしているかどうかを確認しましょう。少し過剰と思われるぐらいでちょうどいいです。もちろんお客さまに事実は事実として確実に伝える必要があります。事実については、
「こういう理由で○○が発生いたしました」
「現在、弊社ではこういう対応になっております」
というように、合理的・客観的に表現し、個人の解釈が入らないような表現にします。
■送信する前に必ずチェックしよう。
メールを出す前に、自分の書いた文章で本当に読み手が誤解しないかどうか、上司などにチェックしてもらうことを心がけます。
1回ぐらいは声に出して読む努力をしてみましょう。声に出して、自分で聞いてみて、一方的な話になっていないか、こちらの主張が強すぎないか、責任を回避するような文章になっていないかをチェックします。また、書いた文章を印刷して自分で文面を読み、さらに「このお客さまに、この文面を送るのでチェックしてほしい」と上司などにダブルチェックをお願いするのも手です。
きちんとしたチェックをすれば、対応を間違える確率は下がります。当然、書面で出すことを重く受け止めなければなりません。安易に出さずに、法務担当部署で書面・内容のチェックを受けてから出すようにしましょう。裁判の証拠にもなる書類です。
☆来週もお楽しみに。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方