■クレーム対応を困難にする3つの事由
(1)ストレスフルな状況での対応を強いられるため
例えば、「怒鳴る」「脅す」といった行為で精神的な圧力を受けたり、長時間にわたって不満を述べる、非常識な言動を繰り返す等、応対者にとって強いストレスを感じながらの応対を強いられるケースが、典型的な難しいクレームとして挙げられます。
(2)判断が必要となるため
例えば、通常の対応を提示してもお客さまに納得していただけない場合や、マニュアルに書かれていない状況に置かれた場合、自分自身で解決案を見つけ、お客さまに提示し、納得していただくことが求められます。
このように、その場で「判断」を下し、組織としての対応方針を決定することが求められるようなクレームもまた、難しいクレームといえます。
(3)交渉による解決が求められるため
通常のクレームであれば、多くの場合、適切な対応を行うことで収束させることができます。しかし、困難なクレームの場合、相手側の要望を100%受け入れるわけにはいかない場合も少なくありません。長期的な影響も踏まえつつ、最善の収束に向けて相手と「交渉」し、落としどころを探ることが求められます。
すなわち、困難なクレーム対応において求められるものとは、
ストレスフルな状況における「適応力」
自ら解決策を見出すための「判断力」
最善の収束へと導くための「交渉力」です。
■困難なクレームの対応手順
クレーム対応の基本手順は、通常のクレームと変わりません。ただし、対応が難しいクレームの場合、問題の代替案や解決策を提示するタイミングで、「判断」というプロセスが入ります。さらに、提示した代替案や解決策を相手に受け入れてもらえるよう、説得のための「交渉」というプロセスが入ります。
◇基本手順1
ストレスフルな状況の中で当事者である意識を強く持つ
◇基本手順2
ストレスフルな状況の中でお客さまの心情を理解し、そのことを行動で示す
◇基本手順3
ストレスフルな状況の中で解決すべきお客さまの問題・ご要望の確認を行う
◇基本手順4
確認した情報をもとにどのように対応すべきか判断を下す
◇基本手順5
下した判断にもとづいて問題の代替案・解決策を提示する
◇基本手順6
提示した代替案・解決策を受け入れてもらうための交渉をする
☆次回もお楽しみに!