クレーム対応を困難にしているのは、相手の「感情的な昂ぶり」です。その感情的な昂ぶりを、いかに早く沈静化していただけるかが、解決のためのポイントとなります。
■激情型の場合
大声を上げて怒鳴る、血相を変えて文句を言い立てる等、ストレートに怒りをぶつけてくるパターンです。このようなお客さまに対しては、まず、相手の怒りの心情を受けとめることが大切です。対峙するのではなく、お客さま側に立って話を聴くことで、徐々に冷静さを取り戻していただきます。冷静になると意外なほど物分かりが良くなられることも少なくありません。
■プレッシャー型の場合
決して声を荒げることはありませんが、「おたくの上司にお伝えすることもできるんですよ」「私のサイトは結構影響力あるんですから」等と、こちらの弱点を突いてプレッシャーをかけてくるパターンです。その言葉にうかつに反応してしまうと弱みにつけ込まれることになりかねませんし、逆に開き直ってしまうと、相手の怒りにさらに火をつけてしまいます。このようなお客さまの揺さぶりには過度に反応せず、一貫性のある誠実な対応に徹することが大事です。
■ねちねち型
同じことを何度も繰り返して責め立てるパターンです。早々に解決策を提示して収束させようとすると、さらに態度を硬化させる恐れがあります。このタイプのお客さまの場合、ある程度相手の気が済むまでお話をうかがうことが必要です。また、日をまたいでクレームが長期化するのもこのタイプです。「損得」よりも「自分の納得」が最優先であるため、根気よく相手の主張に耳を傾け、「お客さまのおっしゃることはもっともだ」という相手への理解を示すことが必要です。
■感情的な昂ぶりを静める3つの方法
(1)人を変える
初期段階で感情的に対峙してしまった応対者とは、お客さまとしても急に冷静な話をするのはバツが悪いものです。ある程度、お客さまが言いたいことを言い切ったタイミングで、応対を上司と交代することで、お客さまに「理性的な自分」に戻るきっかけにしていただくのと同時に、格上の者に対応してもらったんだから今回は許してやろう、という気持ちになっていただくことができます。
(2)場所を変える
他のお客さまがいるところで大きな声を上げられると、まわりのお客さまにも迷惑がかかり、自組織の体面上もよくありません。何より、クレームを言うご本人をムダに追い詰める状況にもなりかねません。まずは、お客さまを別室等に案内し、少し落ち着きを取り戻していただいたところで再び話をうかがうことが、双方にとって得策です。
(3)時を変える
クレーム対応の基本は「迅速な行動」です。しかし、感情的になっている場面で性急に結論を出すことは、双方にとって得策ではありません。「原因調査」等の名目で少し猶予をいただき、日をあらためて話し合いを持つことで、建設的な方向に進むことも少なくありません。
☆次回もお楽しみに!