クレーム対応の勘所

 【困難クレームと向き合う】

クレーム対応の勘所

相手のねらいが「合理的な解決」ではない場合

困難クレームと向き合う 【5】

相手のねらいが「合理的な解決」ではない場合

クレームがスムーズに解決へと進まないもう一つの理由として、相手が合理的な決着を望んでいないこと、すなわち「悪質なクレーム」であることが考えられます。

ただし、早計に「悪質」と判断して対応してしまうと、深刻なこじれを引き起こしてしまう恐れがありますので気をつける必要があります。

■憂さ晴らし型

解決に向けた提案をしようとすると、頭からその解決案を否定したり、別の新たな不満を投げかけてくる等が延々と繰り返されます。最後は、何を要求するでもなく、捨て台詞を吐いて去っていくこともよくあります。

このパターンのお客さまは、「不満をぶつけること」が目的であって、「解決」を求めているわけではありません。ひとしきり言いたいことを言って、こちらが精神的なダメージを受けていることを見届ければ満足するのです。

■愉快犯型

わざとこちらが忙しい時間帯をねらってやってくる、特定の従業員がいる時にだけクレームを言い立てる、人が大勢いる中で声高に文句をいう等の行動が、このパターンの特徴です。うっぷん晴らし型のパターンよりも「こちらを困らせよう」という意図が明確であり、やっかいです。この段階になると、「お客さま」としての対応から「迷惑行為者」としての対応に切り替えることを検討します。

■金品要求型

まず最初に「怒鳴り散らす」「恐喝まがいの責め立て方をする」等で精神的なショックを与えておき、こちらが冷静さを失っているところへ取り引き話を切り出してくるパターンです。金品を要求する、相手に不利な条件をのませる等、ねらいが明確で、戦略的にクレームの展開を組み上げて臨んでくる"熟練者"が相手となれば、かなり手ごわいものとなります。何が法に触れることなのか、自組織としてどこまでの妥協ができるのか、どの一線を越えれば「警察」や「弁護士」に委ねることにするのか、といったガイドラインを設定しておくことが重要です。

☆次回もお楽しみに!


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