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大学経営について・その1

大学経営について・その1

☆今週のキーワード☆

              
大学経営

昨今大学を取り巻く環境が大きく変化し、大学経営も生き残りをかけた大競争時代に突入していると言っても過言ではありません。

近い将来、大学同士の合併・提携など、大学のM&Aが世の中を賑わしている可能性もあるのではないかと、個人的に考えています。最たる環境の変化はやはり、少子化です。平成4年度に205万人いた18歳人口が、平成21年度には121万人まで減少し、今後は120万人前後での推移が予測されています。このことは、大学にとってのマーケットが今後は増えないということを意味します。そうなると、限られたパイの中での大学間競争の激化や大学淘汰は必至であるということです。

また、大学・短期大学の収容力(入学者数÷志願者数)については、2009年度学校基本調査速報によると92.4%となっており、この収容力が早晩100%に到達する「全入」時代が到来するものと推測されます。このことは、今までの「大学が学生を選抜する時代」から「学生が大学を選ぶ時代」へ着実に移行していくことを意味します。

もう一つの変化は、国立大学法人化、公立大学法人制度の創設(いずれも平成16年度より)と私立大学法の改正(平成17年度より)です。これらによって何が起こったのかというと、ひと言で言えば、大学が民間企業並みの経営システムを導入せざるをえなくなったということです。具体的には、「自己責任」での大学運営とその「透明性」の確保を主眼として、各大学が、中期計画の策定、財務諸表の開示、役員会制度の設置、人事評価システムの導入、第三者機関からの評価などを導入しなければならなくなりました。

大学は民間企業と違い、公共的、社会的意義が強く、利益追求を目標としている訳ではありませんが、それでも健全な教育を行っていくためには、自己責任による健全な財務と運営を確保していかなければならないということです。

以上のような環境の中で、大学はどのような視点で運営していかなければならないのでしょうか。それには、まず第1に、"戦略的視点を持つこと"です。そして、もう一つの大きな視点は、"経営構造を体系化させること"です。次回は、この2つの視点についてもう少し詳しくお話したいと思います。

 
 
 
 
 
 
 
  
  
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