☆今週のキーワード☆
【CS(顧客満足)】
今回より、『CS』について、コンサルタントの眼で語っていきたいと思います。CS、今や全ての組織の共通課題だと思います。しかし、言葉には慣れてきたものの、いや慣れてきたからこそ、その本質がわからなくなってきたのかもしれません。このシリーズでCSの本質に迫れたらと思っています。今回も最後までお付き合い頂ければ幸いです。
■CSをお客さま視点で考える
顧客満足(CS:Customer Satisfaction)というと、「顧客が満足すること」であって「顧客を満足させること」ではありません。満足の中味は,顧客が期待している以上の商品・サービスになっているかどうかの利用実感のことです。
そして、人は継続的に満足度を感じると商品やサービスに"思い入れ"が生じ知人や友人にすすめたいという行動に移るという傾向があります。お客さまが不満足の場合、クレームを申し立てるのは一部の人で、多くの人は、悪い感情を持ち続けたままになります。このまま放置することは組織の価値低下のみならず、組織の存続危機をもたらすことになるのです。また、非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミに比較して2倍も強く影響を与えるといわれています。クレーム処理に満足した顧客の再購入率は、不満を持ちながらクレームを言わない顧客に比較して9倍も高い(ジョン・グッドマン)といわれているのです。
顧客満足について、(経営者をはじめ現場まで)以上の点は理解できているのではないでしょうか。経営理念に、お客さま第一をうたっている企業は、企業全体の
およそ8割にのぼると言われています。確かに、『お客さま第一』がマインド的なものに対して、『顧客満足』は単なる心意気でなく、サービスをマネジメントすることだという側面は無視できないと思われます。だからといって、経営理念においては、この違いはそれほど目くじらをたてるほどのものではないでしょう。
■CSを従業員視点で考える
一方、"お客さまから給与をいただいている"という実感をいだいている従業員はどのくらいいるでしょうか。給与明細を見ても、社名などは書いてあってもお客さまからの報酬とは書かれてありません。大きな組織になればなるほど、給料の持つ二面性(お客さまからの報酬という面と雇用契約から生じる賃金という面)のギャップが大きいのです。さらに、従業員の持ち場・ミッションからすると、具体的に顧客満足に対する取扱いが異なってくることは確かです。いわゆる総務・経理、本部といった間接部門の従業員から顧客をどう見るかなどが議論となるところです。いずれにしろ、顧客が商品・サービスに満足する実感と、従業員が顧客にいだく実感は、あたりまえのようですが『違う』という点をまず押さえる必要があるでしょう。従業員が顧客の立場に立つというのは、言うのは簡単ですが、本当に難しいことなのです。CSを論じる際、この点を軽んじているように思われます。
その他、あらゆる課題に対してコンサルティングを実施いたします。ビジネスでお困りの際には、是非、インソースにご相談下さい。