■出発は反発と戸惑いそして新たな発見
3年間、弊社が接遇向上運動にお付き合いをさせていただき、お客さまから非常に評価されるようになった、ある窓口の職場のお話です。
昨年までの3年間、実際に調査員が伺い、窓口の応対状況や、職場の環境などを調査させていただきました。福祉関連を扱っている部署なので、対象は圧倒的に高齢者が多いという特徴のあるところでした。
最初に伺ったときには、職員の方の視線は厳しいものがありました。外部の人間から見て、いったい私たちの何がわかるのかという反発の気持ちが強かったと思います。
そして、調査の結果をお伝えし、結果をもとに研修を実施しました。反発を感じていた職員の方一人ひとりと向き合うことで、各自が戸惑いを感じながらも新たなことを発見していただけた様子でした。
■諦めない課長の声かけと研修
残念ながら、ただ調査をして研修をしただけでは、職場の問題はすぐには改善されてはいきません。研修を受けたあとには、「自分たちでもできる」「何とか改善しよう」という気持ちが沸いてきます。でも、その気持ちも時間とともに薄れていき、気がついたらこれまでの日常と変わらなかったということがよくあります。
この職場には、課長の強いリーダーシップとたゆまぬ努力がありました。今回の職場への調査と研修を導入することを強く主張されたのが、この課長です。
常に明るく前向きに仕事に取り組もうという考えを持っており、「何とかお客さまに気持ちよく帰ってもらいたい」とお考えの方でした。さらに、「悪いところはどんどん指摘してください。そのことをもとにして、私たちで改善していきます。」とおっしゃっていただいために、遠慮なく気がついた点をお伝えさせていただくことができました。
この3年間、常に、おそらく毎日のように、職員の皆さまに働きかけていたことでしょう。40名もいらっしゃる職場で、常勤、非常勤の別なく声かけをして取り組む姿が印象的でした。こうした課長の目指すべき姿が、少しずつ形になっていったのです。