■いよいよ平成生まれが入社してきます
気がついたら、「昭和時代」が入試の問題にたくさん出てくる時代になってきました。私たちが経験してきた時代が、教科書の一ページを飾っていることが不思議でなりません。応募されてくる履歴書を見ても、「平成」の文字が大半になってきました。「大学全入時代」にふさわしく、あまり苦しい経験をしてきていない新入社員が増えてきているように思います。
■「この成績で入れる大学を教えてください」
私が教員時代に教えた最後の世代が、ちょうど今年から来年に入社してくる方々です。子どもの数も少なく、「過保護」な環境で育った人も多くいるという印象です。進路に関しても同様です。ある生徒が、自分の成績表を持って相談に来ました。担任でもなければ部活の生徒でもありません。たまたま授業を受け持っていただけの生徒でしたが、困って進路指導も担当していた私のところに来ました。自分の成績表を見せて「この成績で入れる大学を教えてください。できれば推薦がいいんです。」
■自分のやりたいことは?
私:自分のやりたいことはないの?
生徒:ないわけではないのですが、まずは大学に入らないとと思って...。
私:担任や親とは相談したの?
生徒:しました。でも、「自分で考えて、行きたいところに行け」って言うので、いろんな人に聞いて回っているのです。
私:なるほど。それで、最終的にはどうやって決めるの?
生徒:教えてもらったところで、自分なりに納得できたら、そこでいいかなと...。
■受け入れる現場の期待
極端な例かもしれませんが、自分のこだわりや思いはあるけれど、周りや可能性(?)に合わせてしまう方が増えているのかもしれません。だからこそ、「まじめ」「言われたことはそつなくこなす」などの評価につながっているのでしょう。そうした新入社員に対して受け入れる現場は、「最低限度の常識」は身につけておいてほしいと思っています。上司となる方々も同様に、新入社員研修によって、マナーや会社で働く考え方を身につけてほしいと願っているのです。
■早期戦力化とじっくり育成のギャップ
新入社員を獲得することは、会社や組織にとって永続性を保つために必要な行為といえます。しかし一方で、戦力が限られた中での組織運営において、育成や教育に時間がかかる人材の獲得はコストやリスクが大きくなるものです。できるだけ早く戦力になってほしいと願いながらも、あまりあせって育成して、戦力として活用しきれないと困るという二面性があるのも新入社員教育の難しいところです。
■イメージがしやすい実践力
結局のところ、いわゆる「大人」がここまで育ってきた過程が違うので、「常識」が異なっていることが、現場と新入社員のギャップに出てきます。そこでインソースでは、会社での「常識」を頭と体を使って身につけてほしいと願い、実践しています。
・なぜ名刺交換が必要なの?
・座席の座る順番はどうして決まっているの?
・休みの連絡は携帯メールではいけないの?
これらの新入社員の素朴な疑問に、一つひとつ丁寧に答えられるよう、研修を組み立てています。
■現場で生きてくる素振り
研修を企画する側も、受講する側もイメージが大切になってきます。だからこそ、「きれいなマナー」ではなくて、「現場から歓迎される実践的なマナー」が求められています。それが会社の「常識」なのです。実践をイメージできるからこそ、現実でも実施できます。
素振りの上手な新入社員は、理論とともに実践をイメージするから、現場で活躍できるわけです。周りに合わせることができる新入社員に、合わせるべき常識を提示する形で研修を進めていきます。新入社員の気持ちと特性を知り、会社の要望を知り尽くしたインソースだからこそ、提供できる研修の形です。