■経営トップの現場対応力
緊急時における経営トップの対応は自社の経営を左右します。
事業継続についても同様です。対策本部が設置されたとき、
経営トップが限られた人員・施設などで事業継続について
どのような方針を打ち出したかどうかで、
その後の動きが決まります。
重要なのは、現場に即した対策ができたかどうかです。
この点で、今回の大震災において、この地方唯一の製油所が
火災したのを見て関西からガソリン調達を指示した経営トップが
いました。取引先に頼み、タンクローリーでガソリンと軽油を運送
依頼する一方、乗り合いマップを作成したことで、社員のほぼ全員が
マイカー通勤できました。
この例は、復旧過程で何が優先して必要かを先んじて
見通せる力があるかどうかです。言われてみれば、
なるほどと思いますが、咄嗟の判断ができた人は少なかった
のではないでしょうか? 大半の企業のBCPには、ここまで
書いてありません。地震の事業への影響をどこまで見通せるかは、
現場のことをどれだけ理解しているかということにほかなりません。
■現場対応力は代替など次善策がすみずみまで反映されているかどうか
緊急時の指揮命令系統だけをあらかじめ決めておいて、後は、
出たとこ勝負で、適任者にまかせてしまえばよいという企業が
過去においては少なからずありました。自他共に認める現場対応力
のある人がいる企業は、このようなやり方で十分対応できる
ケースはあります。
ところが、このような人が出張などで不在のときはどうする
のでしょうか? 今回の大震災で、そもそもキーマンと言われた人が
ガソリン不足でマイカー出勤できなかったというケースがありました。
次善策ですが、代替者を決めておくことが必要です。
あるいは、指揮命令系統からいうと、各部署の責任者の代行順位者も
あらかじめ決めているかどうかも重要です。現場対応力の中身は、
こういったほんのちょっとした配慮が行き届いているかどうかで
決まってきます。
☆来週もお楽しみに!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方