就職活動中の誰もが手にする "ノウハウ本"。就活を成功に導いてくれる魔法の本など存在するわけもないのに、それに頼りすぎてはいないでしょうか?
ここに登場する2人の「採用」のプロは"ノウハウ本"に洗脳されてしまった就活生をイヤと言うほど見てきました。そんな彼らが「採りたい人材」「採用側からみた就活」について、誰も教えてくれなかった本音を語ります。
【学生の疑問】
人事が考える「いい面接」って?
■学生が考える「いい面接」と人事が考える「いい面接」は違う
M山「学生にとっては、想定してきたやりとりが出し切れたら100点かもしれないけど、私はそうは思いません。むしろ、学生が考え、準備してきたことを全て"無"にできたら『いい面接』だと考えます。」
「採用」のプロは、学生がこれまで実際に何をやってきて、「働く」ということに対してどう臨もうとしているのかを知りたいといいます。ですから、用意された抽象的な答えをどう剥がしていくかというところで苦労さえしているそうです。
とはいえ、現実は少し違う部分もあるようです。
S田「私が採用のコンサルティングをしていた経験上、人事担当者の多くは、"採りたい人物像"が明確になっていないと思います。そんな人事担当者に基準があるとしたら、上に『何であんなヤツ採ったんだ』って言われないというところでしょうか。」
M山「そういう採用担当者が実際多いから、どこかで聞いたことのあるような受け答えをしてくるんですね。ある意味、それも有効なんですね。」
S田「一般的には、論理的で協調性、社交性がありそうってのが、上からのウケがよいですからね。カタにはめても良さそうかどうかを見ているんでしょうね。」
M山「では、学生としてはどう攻めたらよいでしょうか」
S田「相手がどんな人事担当者であっても言えるのは、『使えそう』という理由を会社側に明確に示せるような面接ができたら良いと思いますね。」
■「使えそう」と思わせる自己アピールとは
M山「就職活動シーズンになると、自転車で日本横断とかワケのわかんないヤツが増えますね。あれって無意味だと思いませんか。」
S田「毎年何百人もの面接を対応している担当者はちょっとやそっとのエピソードではすごいと思わないですからね。『会社に貢献できます』ということを、具体性を持って説明してくれた方がよっぽど良いですよね。」
M山「そう、採用側は学生に対しても実績重視です。バイトでもサークルでも身近な話題でいいので、『使えそう』って思わせるエピソードがあると惹かれますね。」
【問題】
居酒屋でアルバイトをしていた2人の学生が、以下のような自己アピールをしました。人事が「使えそう」と思うのはどちらだと思いますか?
A「私は居酒屋でアルバイトをしていました。最終的にはリーダーを任せられ、他のアルバイト10人をしきっていました」
B「私は居酒屋でアルバイトをしていました。担当は皿洗いでしたが、ピーク時をしのぐために、お皿の並べ方を変え、1枚5秒タイムを縮めました。」
【答え】
M山「断然、Bです。実際に業務改善をしたってことを話しています。『どうやって時間を短縮できたの?』って聞きたくなります。こっちの方がよりリーダーシップを感じますね。」
★来週もお楽しみに