【誰も教えてくれなかった採用担当の本音】
誰も教えてくれなかった採用担当の本音 【4】
就職活動中の誰もが手にする "ノウハウ本"。就活を成功に導いてくれる魔法の本など存在するわけもないのに、それに頼りすぎてはいないでしょうか?
ここに登場する2人の「採用」のプロは"ノウハウ本"に洗脳されてしまった就活生をイヤと言うほど見てきました。そんな彼らが「採りたい人材」「採用側からみた就活」について、誰も教えてくれなかった本音を語ります。
【学生の疑問】
効果的な自己分析法とは?
■「ありがとうと言われるのが好き」・・・そんな自己分析はムダ!
「就職活動は自己分析から」という考えの就活生が多いようですが、それは必ずしも正しくはないようです。少なくとも、自己分析を自分に合う企業、職種を選ぶだけの手段にすることは避けたほうがよさそうです。
S田
「『自分の価値観マップ』を作っている就活生には驚きましたね!すでに企業を見る評価基準が完璧にできあがっていたんですよ。」
M山
「お~すごいですね!」
S田
「早いうちにいろんな会社の説明聞きに行って、もやもやすること、逆にいいと思うことをピックアップして、自分の中での優先順位を決めたそうです。そして、理念を共感できるか、自分にとっての優先度はどうか、どのような価値観がよいのかなどを基準に、マトリックスが組んでありました。自己分析を完璧にしたいなら、そこまでやれば明確だと思います。私自身、そのようなことはやりませんでしたけどね。」
M山
「自己分析は役に立つこともありますが、そうでないことが多いのも事実ですよね。なぜなら、人生22年で自分のやりたいこと、価値観が定まっていないことは普通のことですから。ないものを探すために砂漠を歩いているような状況になってしまうのは当然ですね。
問題なのは、苦しいから決めてかかろうとしてしまうことです。そうすると、「ありがとうと言われたら嬉しかった」みたいに抽象度の高い答えにたどり着いてしまいます。人間誰でも「ありがとう」と言われることは嬉しいので、それは人間を分析しただけであって、それは自己を分析したことにならないのです。」
■やりたくない、合わないところに何かがある!
M山
「やりたいことはなかなか見つからなくても、その逆は意外とはっきりすることってありません?これはやりたくないとか、これはどうでもいいなとか・・・だから何を捨てられるかってことを考えたほうが案外、その時点での姿はくっきり浮かび上がるのではないかと思いますね!
さらに、そのようなことを集めて、そこに向かうという手もあります。「克服するため」です。
私は昔、ナンパもできない人間でしたが、人に拒絶されるところに分け入っていくぐらいたくましくなりたいと考え、営業職を希望しました。今思うとその判断は間違っていなかったと思います。」
S田
「それは、明らかに確信があってのことですね。嫌だけどやりたい、絶対にやれるようになりたいということを自分とは合わないところから、見つけたわけですね。誰にでもできる方法としては、『退屈だな~、合わないな~』という瞬間を大切にするところから始めたらよさそうですね。」
M山
「そこには、何かがあるんですよ」
S田
「そう、何かがある。ただ、ほとんどは直感が当たっていて、本当に合わない場合が多いですけどね。その理由を掘り下げていくと、判断軸が明確になります。」
M山
「そうですね。私も昔、訪問した企業で、あまりにも美人すぎる受付の女性が学生を面接会場まで案内する様子に、何か序列のようなものを感じてこの会社は絶対に合わないと直感したことがありました。その会社を選ばなかったことは間違っていなかった思いますよ。」
「自己分析」よりも大切なことはたくさんあるようです。どうせやるなら、自分の将来に立ち向かう覚悟をするため、意欲をかきたてるために自己分析を使ってみるとよいかもしれません。
★来週もお楽しみに
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方