■育成計画を「準備」、仕事のやりくりを「準備」
教える側には、「準備」が必要です。仕事の成果が早期に求められる中で、さらに部下・後輩を育成するのですから、「育成計画」を立てる必要があるのは当然です。
また、育成担当者には、OJTの職務とともに通常業務も存在します。そのため、仕事のやり繰りを計算しながら進めないと、共倒れになってしまいます。
具体的には、配属されて、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後に何ができたら良いのか?の観点で目標を立てます(育成計画目標シート)。
例えば、相手が主任クラスの場合、配属3ヶ月後に、達成して欲しいレベルを「職場の課題を洗い出すことができる」の様にすると良いでしょう。
また、具体的に何ができて欲しいか(「開発作業における課題の洗い出し」など、具体的に)? 自分として、どう指導するか?も先に考えておきます。その際、技術的なスキルだけでなく、社会スキル的なもの(「部内会議の司会ができる」など)を織り交ぜて、目標にすると良いと考えています。
■仕事のバランスを取りながら「継続」
また、「継続」も重要です。当初は十分に時間を割いて指導ができたとしても、業務多忙の中、だんだん指導時間が取れなくなり、最後はOJTが十分にできていない事例もよく見かけます。
指導を継続させるためには、自分や部下・後輩の仕事のバランスを計算しながら実施することが求められます。
具体的には、指導の時間を毎日、16時~17時までと決め、スケジュール化することをおすすめします。時間帯を決めることで「育成モレ」や「育成疲れ」を防ぐことが可能です。
■現代は計算されたOJTが求められる~OFF-JTを組み合わせる「業務を見せ」、「やらせてみて」、「理解を確認する」のがOJTの基本的な流れですが、人材育成は、OFF-JT(OFF the Job Training、いわゆる集合研修)と組み合わせて実施するのが効果的です。
■若手には座学とOJTの組み合わせが特に効果的
近年の若年層の傾向として「机上で教えられた」という実感がないと、「聞いていない」と感じる傾向が強くあります。定期的にマニュアルやOFF-JTで体系的な知識の整理を行う一方、OJTにより、各人に合わせた指導を徹底します。そういった意味でも、"計算された教育指導"が求められます。
次回もお楽しみに。