■部下「育成」は継続性がポイント~スケジュールを引くこと!
何と言っても部下の「育成」は継続して実施することが重要です。育成担当者の業務多忙が原因で育成が後回しになってしまい、OJTが十分にできないということはあってはならないのです。
「育成」を継続させるためには、自らの仕事のバランスを計算し、意識的に「育成」を中心に再配分するぐらいの気持ちが求められます。
実際、この仕事をしていると、IT系管理職からの悩みで最も多いのが部下の扱い方です。プロジェクトに必要なスキルが育っていない、反抗的な態度を取る、無気力である、などなどさまざまです。
どんな場合にも、あきらめず、継続して、少しづつ、できる仕事を選んで教え、少し成果を出させて、気持ちを整理しながら進むのが基本です。過度の期待をせずに、あきらめず、育成を継続するのが基本です。
■部下育成のオペレーションマニュアルを作ること
育成担当者には、指導する事柄をどのように教えるかを明確にすることが求められます。当然ながら、必要な資料を用意し、簡単なマニュアルを作成することで、業務内容を最小の時間で理解させることが可能になります。
ITの現場では、順番をひとつ間違えるだけで、大きなトラブルになりかねないにも関わらず、業務を体で覚えさせる傾向があり、現場で役立つ資料が意外と少ない気がします。仕事の流れを整理して資料を作ることで、確実に業務の効率化も図れます。
資料のイメージとしては、部下育成用のオペレーションマニュアルを作る事です。新人・若手は次から次へと入ってきます(何故か、そうなってしまいます!)。オペマニと思って作れば、分かりやすい良い資料が作成できます。また、代々メンテできるよう、中堅の部下にも手伝わせるのが基本なのは言うまでもありません。
■部下育成のプロデューサーになる
プロジェクトマネージャーに求められるのは「教えること」をプロデュースする能力です。時間がなかったり、知識がなく、自分で教えられないことや、自分でも教えられるが他に適任者がいる場合には、適切な「指導者」を専任し、依頼します。育成を抱え込まず、職場全体や仕事の状況を視野に入れ、周囲と協調しながら教育プランを立て、どんどん進めていく、プロデューサーになるのです。
例えば、ある部下に「業務A~C」を教えるとしましょう。一般業務「業務A」については、育成担当者自身が担当し、専門的業務「業務B」、「業務C」については、その業務に、より精通した適任者を選び、依頼をします。必要であれば、資料の用意や簡単なマニュアルの作成も分担して任せるとよいでしょう。その過程で生じるトラブルや、業務の滞りがあった場合は、全員で対処していくと、連帯感が生まれます。
育成担当者がプロデューサーになることで、部下の「育成」を組織全体で行うことでき、育成担当者の負担を軽減できるだけでなく、部下育成がプロジェクトとして認知されれば、組織の育成能力は飛躍的に向上します。
ちなみに、「次世代を育てること」を部下に求める最も重要な事と考える企業経営者は極めて多いのも事実です。出世のためにも、「部下を育てるシステム」構築をしたいものです。
次回もお楽しみに。