前回は「企画書」作成の仕方として、【基本的な企画書のフォーマット】の1~3までお話いたしました。まず復習してみましょう。
【基本的な企画書のフォーマット】
1.「ねらい」
~なぜ、この事業をやるのか?を明確にする。この部分の「出来栄え」は極めて重要。
2.「実施事項」
~具体的に実施する事を新聞の見出しのように、わかりやすく記載。
3.「詳細内容」
~具体的な業務の流れであり、いわゆる本文にあたる部分。
今回はこの続きです。気になる「費用対効果」や「リスク」について書くコツなどをお話いたします!
■基本的な企画書のフォーマット(つづき)
4.「コスト・予算(費用対効果)」
~費用対効果が明確に説明できないと企画が実施されない
(1)主要な費用と効果指標が何かを徹底して考える。
(効果指標が不明確であると、成果が測定できなくなる)
~コスト(費用)は、予算申請など自組織で使用する費目(広告宣伝費、システム開発費など)を前提にする。
(2)いかにコストを抑える事ができるか?は工夫次第
~「新規事業におけるコスト」は考え抜く事で大幅な削減が可能。
(3)費用対効果で気にすべき数字
~単年度黒字(債務があっても良いが、単年度で損が残らない事)はいつか?
~累損一掃(債務が全てなくなる事)はいつか?
【ポイント】
・初年度から3年間程度の効果、費用を表形式で記載する。
・数字の単位は1000万円→10百万円、1億円→100百万円 のように、桁数が大きくならないように表記し、まるめて書く。※単位は明記する。
・人件費は時間単位で細かく算出するとわかりやすい。
5.「リスク」
~実施に際しての課題、懸念事項等できるだけ記入すること。
→中止条件等を事前に設定しておけば案件が「暴走」する危険性が減る。
【リスク検討のポイント】~リスクはできるだけ考えて、対応策を考える
ビジネスリスクには
・売れない、使われない、利用されない(楽観的需要予測)
・コストがかかりすぎる、損失が発生する(需要予測の失敗、マネジメントのミス)
・売れすぎる、使われすぎる(商品不足、機会損失)
その他、災害・事故・障害・組織・法律・社会・政治・経営環境に関するリスクが考えられます。
また、開発関連リスクは一般的に次の3種類があると言われています。
・コスト増 ~予想以上にコストがかかり、予算を超過するかもしれないリスク
・技術不足 ~予定していた機能を実現できない、性能を実現できない、品質を実現できない、開発途中の事故発生リスク
・スケジュール ~納期に間に合わず、プロジェクトの完了が遅れてしまうかもしれないリスク
6.「スケジュール」
~決まっていない事柄を計画するのはなかなか難しいが、検討して、具体的に記入すること
【スケジュールを検討する際のヒント】
・目標達成時期から逆算してスケジュールを決定する
・スケジュールのポイントとなる事柄を3つ程度洗い出す。
■「企画書」成功の秘訣
では、説得力のある「企画書」を書いたら、どうしたらよいのでしょうか?
「企画書」成功の秘訣は以下の通りです。
1.逆説的だが「最も難しいものに取り組む」方がうまくいく
~「大きな敵」ほど倒しやすく、成果がでやすい
(組織にとっても、自分にとっても) 【豊臣秀吉の戦略】
2.絶対にすぐうまくいかないことを理解する(職場内にも理解させる)
~どんな良い企画でも、すぐにうまくいくことは極めて稀である
3.準備期間を一定期間持つ
~不急な対応は避け、不要なコストは使わない
4.広告・宣伝に努める
~自社の社員に「自分の仕事」に注目させる。できるだけ多くの人々の力(知恵)を借りると、企画の成功確立は一気に高まる。また、マスコミ(=「新聞」「雑誌」)は最良の媒体である。ただし広報セクションを必ず巻き込むこと
このように、企画を実現させるためにはプレゼンテーション力が必要となります。
インソースの「企画力研修」では、現状を多角的に捉えた企画書を作成していただいたあと、企画を実現させるためのプレゼンテーション力をグループワーク・発表会を通じて、磨き上げていただきます。
☆この項終わり。次回もお楽しみに!