研修では、基本的なことですが、宴会に呼ばれた時、それが会社や部署全体の行事であるときには、よっぽどのことがない限り参加すべきだと伝えています。
また、「じゃ飲みに行くか」と突然先輩が誘った場合も、できれば参加すべきですが、仕事が終わりそうにないとき、あるいは体調が悪いとき、先約があるときは、無理に参加する必要はありません。ただ、その場合の断り方は一考を要し、普段から考えておくほどの気遣いが大切です。
■宴会での気配り
新人の場合、「宴会で細やかな気配りをしたいが、どのようにすべきか知らない」という方も多いと思います。こういったことはオフィシャルな研修の場では話しにくいものですが、実は非常に大切な知識です。
学生時代、体育会系の部活・サークルに所属していた方は、社会における酒宴のマナーも案外とできているものですが、全くそういう場に居合わせたことがない、あるいは気の合う友人としか飲んだことのない新人もいますので、できるだけ教えてあげたい内容です。
では、具体的にどのような気配りが必要なのでしょうか?
1.当面は下座に座る
下座は、店員の方を呼びやすい通路・廊下側の席です。わからない場合には、先輩に確認するとよいでしょう。「店員を呼びやすい」とは、つまり自分が率先して注文をしなければならない、ということです。呼び出しボタンがある場合は、手元においておきましょう。
もちろん、新人歓迎会などで新人が主賓の場合は、指示された席にかけます。
2.乾杯だけは皆に合わせる
通常、「まずはビール」で乾杯することが多いかと思います。ビールが苦手な方、お酒がダメな方もここではまずビールで音頭をあわせます。そして、飲まなくてもよいので、口をつける「フリ」をします。
その後は、折をみて「他の飲み物を注文しても良いですか」と先輩に断ってから、好きなものを頼むようにしましょう。
3.上司・先輩の飲み物の残量には常に注意を払う
非常に大切なポイントです。周囲の方のグラス・器の半分以下の残量になったら、お酌をします。目上の方(当面は全員の方)へお酌をする場合は、両手で行います。
ラベルがある場合は、ラベルを上に向けて注ぎます。
飲み物が減っていない状況でお酌をすることは決して失礼ではありません。むしろ「もうお酌したほうがいいかな」と迷っているうちに、グラス・容器が空になってしまうほうが失礼です。
4.場を盛り上げる努力をする
新人の時に「一発芸をやれ」と言われたご経験のあるご担当者さまもいらっしゃると思いますが、新人はとにかく酒宴を盛り上げることに徹しましょう。わざわざ芸をする必要はなくても、会話が途切れないよう話題を用意しておくとよいでしょう。
自分のことだけでなく、相手へ質問して相手に話していただくようにするのもエチケットです。
また、積極的に席を移動してお酌がてら、様々な方と話しましょう。組織・部署のことや、同僚、お客さまのことなど、普段聞けない耳よりな情報が手に入れられるかもしれませんし、周囲の方に自分の顔を覚えていただける良い機会にもなります。
5.一番重要なことは「翌日の態度」
酒宴の翌日は、必ず普段よりも早く出社しましょう。飲んだ翌日こそ、自己管理能力が試されます。寝坊して遅刻するなど言語道断です。また、二日酔いでしんどそうにするのもご法度です。必ず、元気に「おはようございます」と挨拶して席につきましょう。
また、酒宴の参加者全員に「昨日はありがとうございました」とお礼をします。直接お礼するのが理想ですが、不可能であれば電話でお礼します。電話でも通じないようなら、メールします。
新人には、こういったことをそれとなく伝えながら、より良いコミュニケーションをとれる環境作りをしたいですね。
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