【板橋講師研修を語る】
板橋講師研修を語る 【2】
◇システム営業の場合の、営業担当者の役割についてもう少し詳しく教えてもらえますか?
◆営業は、お客さまに対して、提案活動の窓口になって、なおかつ説明責任があります。それとお客さまに対してシステムの範囲とか、お客さまの目的だとか、システムの運用面を含めた内容につきましては、営業がすべてコーディネートします。
◆受注を取るときの段階までの全責任は営業にあるわけです。営業がすべての責任を負って、すべてを自分で責任を持って注文をとるということが前提です。
◆受注をとれた後に、詳細の設計をしていくことになりますので、ここからSEが入ります。ただ、SEはシステムの技術面という風に仕事の範囲は決まっていますので、その範囲のなかでしか仕事をしません。よって、実質的にはすべての責任を営業がとることになります。お客さまもそのように思っていることが多く、営業がSEのほうに責任を転嫁すると、お客さまもおかしいと感じます。
◆不思議なことに、SEなどのシステムのほうには絶対クレームが行きません。今まで経験したなかで一度もないですね。なぜ営業にクレームがくるかといえば、その理由は二つあります。
◆一つは、お客さまにとって、営業が契約した窓口であるということです。お客さまにしてみれば、「システムや運用のことを決めたのも営業だろう。だから、営業が責任をとれ」と。
◆もう一つは・・・お客さまはSEとも色々とやりとりします。これがまたおもしろいんですね。お客さまは、SEに直接クレームをいうと、人間関係がこじれる。そうすると、「やってもらえることをやってもらえなくなっちゃうんではないか」ということを心配します。人間関係のあいまいさで、SEなどの技術担当の方にはクレームがいかず、営業にクレームがきます。これが二つ目の理由です。
◆いつも営業が矢面に立たされます。これがシステム営業の大変なところです。
◇営業がやらなければいけないことは本当に多いですね。クレームを受けて、それに応えなければならないということは、技術的なところもある程度は知っていないといけませんね。
◆営業がらみで、一番クレームになるのは、1回取れちゃうと、お客さまのところに行かない営業です。あとはSE任せ。これはよくないですね。
◆さきほども言ったように、営業はお客さまから窓口だと思われていて、しかもSEとは何かと話しづらい。そうすると、お客さまはSEとのシステムの機能の確認などで、「あれっ」と思って、「こんなはずじゃなかった」とか、「こうだっただろう」とか、いろいろ決めたことを確認しようとしても、SEとではそれができないんですね。
◆それで、お客さまは、「営業が来ないじゃないか」、「お前のところの営業は何をしてるんだ」という形でクレームになります。「契約をとったらそれでいいのか」ということになります。要は、自分が受注して、全責任は営業にあるのに、最後まで、要所要所で顔を出して、重要なポイントを押さえていないと、それはもうクレームになりますね。
◆営業には、ハードウェア入れて、ソフトが完成して、本番稼動する時まで立ち会って、完璧にお客さまのお約束どおりのシステムが納品できましたね、というところまで確認責任があります。
◆注文をとってから、納品、それから完全に稼動する責任は営業にあります。それを忙しいために忘れて、間を抜かしてしまうと、完璧にお客さまからクレームがきます。工程管理は営業の仕事なんです。その間のコミュニケーションを抜かしちゃうとクレームになるんです。
◆やはり人と人との関係ですから、やはり最終的には信頼関係なんですね。信頼関係が持続できるということは、やはりコミュニケーション、つまり情報や意思のやりとりが継続していないといけません。
◇営業の仕事は、頭も気も使うし、バランス感覚も必要だし、大変ですね。弊社インソースで考えても、営業の仕事はいっしょですね。お客さまから受注して、実際にテキストとか作るのは別の人間がやりますけど、そこの進捗がどうのとか、ちゃんと送られたかとかいうのは営業がやりますから。
そのような工程管理も営業がやらなきゃいけないというのはどの業種でも同じですね。営業の仕事は、クレームを起こさないために、お客さまとの信頼関係を保つ重要な立場にいるということを改めて感じました。
◆最近、何かあるとSEのせいにする営業が多いような気がします。営業には、「すべて営業の責任です」スタンスでいてほしいですね。営業はコーディネーターですから。
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※インソースの「新入社員研修」
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方