「最近の新入社員の文書はひどい!」
このような言葉を人事担当者の方からよく聞きます。
確かに、携帯メールの普及のせいか、最近の新入社員の文書には、主語が抜けていたり、自分の感想ばかりだったり、仕事にふさわしい体をなしていないものが多く見受けられます。
中には、「文書なんて書けなくても仕事をできる人はできる」と考えている方もいるでしょう。これは決して間違いではありません。
しかし、「書く」ことが上手にできれば、結果的に報告能力や仕事の手順の効率化など、業務遂行能力の向上にもつながります。
結局、文書作成は仕事の基本となります。
■書き手の立場が明確である
ビジネスで文章を書く上で、最も大切なのは、文書の書き手である自分の立場が意識できているかです。
この視点が欠けているとどんなに美しく、内容が素晴らしい文章でも、使えない文章となってしまいます。
実際、「部下の文章が下手だな」と感じる場合は文法がおかしいというより、 自社の立場が分かってないという場合が多いように思います。
部下に文書指導をする際には、必ず書き手(自社)の立場や書く目的が何なのかを しっかりと確認する必要があります。
■読み手の理解の流れに沿った文章を書く
内容に関しては、「話の流れ」がスムーズに頭の中に入ってくる文章が求められます。例えば、稟議書や申請書など、日常目にしているものと同じ順序・流れで書かれた文書が、一番理解しやすいものです。
なぜ理解しやすいかというと、これらの書類は論理的に展開されていて、 内容を整理しやすいからです。
例えば、稟議書や申請書は、「ねらい・理由」「具体的内容」「詳細内容」「費用対効果」「リスク」「スケジュール」等が順番に書かれていて、 一目でどういった内容なのかがわかります。
ですから、他の報告書を書く際にも、「稟議書や申請書と同じような順番や論理構成であるか」 ということを意識して書くようにしましょう。
これは、社内だけでなく、営業の現場でも有効です。 提案書を作る際には、提出先の書式、流れを踏まえて作成すれば、 案件が取れる可能性は高まると言えるでしょう。
■定型フォーム(雛形)を用いて文章を短時間で作成
とは言え、現場では、仕事に追われ、悠長に文書指導をしている時間はなかなかありません。
即効性を求めるためには、文書の作成方法を標準化していく事が有効です。 日常の仕事は、日々、100%新しいことを行っている訳ではありません。 職場では、毎日似たような文書を、パソコンを使って作成することが多いと思います。
ですから、職場全体で良く使うビジネス文書を分類し、 正しい定型フォーム(雛形)を作ってしまえば、次回、文書を作成するとき、 短時間で効率的にビジネス文書を作れます。
実際には、職場で決まった正しい雛形がなく、毎回担当者が時間をかけて作ったり、 前の担当者から引き継いだ、間違った雛形を使っている事も少なくありません。
■チェックシートを使って部下の文書を指導
社長が現場で部下の文書をいちいち指導するのは面倒なことです。部下の文章力をアップさせるためには、部下に自分で考えさせることが必要です (指導しても、訂正した所をそのまま直してくる部下もいます)。
部下の文書を簡単に評価し、問題点を自分で部下に気づかせるためには、 チェック項目を箇条書きしたチェックシートを用いて、文書添削をするのが有効です。
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新人のためビジネス文書の書き方研修【基本編】(1日間)」
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