◇インソース舟橋、◆教育・研修ご担当者
1)図形・記号で語る20代
◇最近の大学の学生や若手職員の傾向みたいなものはございますか?
◆世代によってそれぞれのカラーがありますが、最近の傾向としては、大学生や若い人が文章を書かなくなったなという感想があります。その代わりに、矢印をひっぱたりして図解で説明することが多いですね。
ちょっと前の新聞にも出てましたけど、大学の教授が、「学年末試験で"~を論ぜよ"という問題を出したら、図を描いて答える学生がかなりいた」という話です。なるほどやっぱりどこでもそうなのかなと思いました。
◇そうですね。弊社も「ビジネス文書研修」というものをやっているのですが、実際に研修をやっていてその傾向を感じますね。
◆私は、自分の仕事の流れや個々の仕事のつながりなどをフローチャートで理解することは、非常に有効だと思っています。
様々な仕事との関連や組織の中でその仕事がどこに位置づけられるかという、全体を広く見るという目的で有効だからです。
ただ、今の学生は、図を描くことで、おおざっぱな要素や要点を理解することには器用なのかもしれませんが、例えば、材料はあるが、組み立て方がわかっていない、というように、全体の関連付けや論理構造などを本当に理解しているのかなあという疑問があります。
◇しかし、自分の仕事だけしか興味がなくても、それはそれである一定のレベルの仕事はできてしまうんですよ。ただ、仕事の全容や組織全体について理解していなければ、本当の意味で「良い」仕事はできないのではないかと思います。
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2)大切なのは、「穴埋め」問題より、全体を考え、論述問題を解き切る力
◆試験問題で、「穴埋め」などの知識を問う問題はあっても、論述問題の様な「穴の無い所から組み立てる」という自分で何かを生み出す問題はありません。しかし、試験では問われませんが、「全体を考える」、「枠を作る」能力というものが本当の意味で大切だと思います。
◇現在だけでなく、ずっと前から学校教育は知識偏重でずっとみんな同じようにやってきました。
ただ、それでも学生や若い人の昔と今を比べると、自分でものごとを動かしていく能力や、ものを作り上げていく能力などが格段に差があるような気がします。
例えば、自分が分からないことでも、人間関係をたどって、「この人に相談してみよう」「こいつならわかるかも知れない」という動きをする中で、足りない所を自分で掴んで、埋めていくようなたくましさや、細かい所はこだわらないけど、全体的を回していく能力が全然違いますね。
私も学生の頃、外にいくとOBがいっぱいいましたが、そういう関係で、組織としてではなくて、個人でお世話になりました。
◆弊社では研修の時にグループワークを行いますが、その時、いい学校の人が多いチームが勝つかというとそうではありません。
やはり、お勉強と仕事をする上で必要なことというのは違うんですね。コミュニケーション力とか、チームをまとめあげる能力というのは、試験ではなかなか計りようがないですからね。
◇仕事で必要なのは、知識というよりも、仕事の動かし方や、余計なことをバッサリと切り捨てる取捨選択の力や、ミスした時でも打ちひしがれるのではなく、何とかしよう」と現場に駆けつけたり、必死に頭をひねることができる人間でしょうね。
(つづく)
※来週は、「理想の職員研修について」というテーマでお送りします。
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