■全体目次:「内定者に何を語るか」
【第1回】 「学生と社会人の違い」
【第2回】 「組織とは?」
【第3回】 「あいさつ」
【第4回】 「身だしなみ」
【第5回】 「表情・態度・姿勢」
【第6回】 「言葉遣い」
【第7回】 「訪問のマナー」(1)
【第8回】 「訪問のマナー」(2)
【第9回】 「電話応対のマナー」
【第10回】「ビジネス文書のマナー」
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【第11回】「Eメールのマナー」
「内定者に何を語るか」、第10回の今回は「ビジネス文書のマナー」です。
【第10回】「ビジネス文書のマナー」
■ビジネス文書の種類
ビジネス文書の種類は内容により大きく分けて、案内状、通知状、その他の3種類があります。案内状は式典、行事などの案内をするもの、通知状は、社名変更、社屋の移転などを通知するものです。その他に依頼状、紹介状、督促状などがあります。
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◇一般的なビジネス文書の例
ビジネス文書は相手に用件を簡潔に伝えるため、形式的に一定のルールに従って作成する必要があります。よく使う文書はたいていひな型が整備されているためあまり意識することがないと思いますが、基本は押さえておきましょう。
「社外文書」基本形です。以下、細かく文書の形式について説明いたします。
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1)文書番号
会社内の文書管理上のルールに従って付されます。発信者、発信時期などを暗号化し、文書の位置づけを明確にします。省略する場合もあります。
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2)発信日
文書を相手に発信する日付を必ず記入します。文書作成の日ではない点に注意が必要です。平成○年○月○日などと記入し年号などを略さないようにします。西暦を使う場合もあります。
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3)宛名
発信日より一行下げて記入します。誤字・脱字のないよう、細心の注意を払いましょう。一行目には会社・団体名を記入し、「(株)」などの略字や、社名の略称は使わずに、正式名称を使います。このときに「株式会社」の位置に注意しましょう。「株式会社」が社名の前にくるか、後にくるかで別の社名となり、実際にそれぞれの社名の会社が存在することがあるからです。2行目には役職名と個人名をフルネームで記入します。名前の誤字は大変失礼に当たりますので、特に注意が必要です。
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4)発信者、社印、担当印
発信者、社印、担当印は宛名より一行下げて記入します。発信者の職名は必ず記入しましょう。
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5)件名
件名は相手がすぐに何の文書なのかわかるように、本文の趣旨を簡潔・明確に表現するようにします。
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6)前文
対外文書では冒頭に頭語をつけるのがルールです。「拝啓」が一般的ですが、あらたまった表現では「謹啓」を使います。「拝復」は返信のときに使います。また、続けて時候のあいさつを入れるのが一般的です。
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7)主文
主文は「さて」から書き出すのが一般的です。相手は「さて」からが本題であると思っています。趣旨が正確に伝わるよう、簡潔で読みやすい表現を心がけましょう。記書きについて記す場合は、「下記のとおり」などと書きます。
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8)末文
末文では主文を締めくくり、趣旨の確認、先方の繁栄を祈る語句を入れます。「拝啓」で始めたならば結語の「敬具」を忘れずに記入しましょう。「謹啓」の場合は「謹言」で結びます。
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9)記書き
複数の用件が続く場合は、「記」として別途箇条書きにします。必ず「以上」で締めくくります。
◇ビジネス文書の慣用表現の例
1)安否のあいさつ
・皆様におかれましては、いよいよご健勝のこととお喜び申し上げます。
・貴社益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
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2)感謝のあいさつ
・平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
・この度は一方ならぬご支援をいただき、心から御礼申し上げます。
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3)結びのあいさつ
・以上、取り急ぎ用件のみにて失礼いたします。
・まずは略儀ながら、書面をもってご挨拶申し上げます。