■「え、そんなことまで」ということまで教える
5月になりました。皆さまの職場にもそろそろ新人がやってきたでしょうか。まだまだ本来の業務はほとんどできない新人ですが、大きな声で挨拶してくれたり、指示した時にてきぱきと動いてくれるだけで、こちらも明るい気分になります。
ただし、「動いてくれる」のは良いのですが、「どのように動いているか」をよく見てみると、「あれれ・・・」と感じる事もたくさんあります。
たとえば、ホッチキスの留め方だったり、OA機器の扱い方だったり、ベテランにとってはできて当然のことが、新人にはできていません。
ですから、教えてあげなければいけないのですが、ベテラン社員にとっては当たり前のことすぎて、何を教えてあげればよいのか分からないという先輩も多いと思います。
そこで今回は、当たり前すぎて教えることの必要性すら気づかない、ビジネスパーソンの暗黙ルールについてお送りします。
■資料作成において最優先は美しさ
新人は会議資料などをプリントアウトし、ホッチキス留めをする機会が多いですね。
しかし、でき上がった資料を見て、「何だこれは!」と愕然とする事もしばしば。ホッチキス留めの位置がバラバラだったり、紙が少しずつズレていたり・・・。目を覆うようなものが散見されます。
資料づくりなど、学生時代にたくさんやっていそうなものですが、意外とできていないことが多いです。
そこで、新人にはこんなことを教えてあげます。
・綴じるペーパーは1ミリのズレも許されない→お客さまに出すものだけでなく、職場の人間にも同じ気遣いをみせます。
・留める位置は、何人で作業していても、同じ場所でなければいけない→「そんなの難しいよ」は理由になりません。最初にしっかり打ち合わせて美しく仕上げます。
・留める位置は職場のルールがあるので、それに従う(左肩斜めに1箇所など)→先輩などに聞き、違和感のない体裁に仕上げます。
・ホッチキスの両方の針先が最後の頁まで完全に貫通していなければいけない→貫通していないとバラバラになる恐れがあるからです。資料の枚数が分厚い場合は、大きいホッチキスと針がないか周囲に聞きましょう。
「最後までしっかり綴じるなんて常識じゃないか! そんなことも言わないといけないのか?」
・・・言わないといけません。残念ながら。
■コピー機やプリンターのトナーがなくなったら「まず振る」
コピー機やプリンターの使い方も問題です。学生まではコンビニや大学生協のコピー機、また自宅用のプリンターを使う事が多かったであろう新人は、紙やトナーの補充のやり方もよく知りません。
そこで、コスト意識を高める上でもこのようなことを教えてあげましょう。
・色が薄くなっても、すぐにはトナーを替えない。まずはトナーを「振る」→偏っていたり、固まっていたりしたトナーが均一にほぐされ、もう少し使える場合があります。
・紙を補充する際は、いったんたわませて空気になじませてから→紙が2枚くっついたままプリントアウトされるミスがなくなります。
・裏紙を使う場合は、古いものから使う→印刷直後の紙は、乾燥していないので、詰まりやすいものです。詰まる事でトナーも、紙も、復旧の時間も無駄になります。
・プリンターに放置されている印刷物は新人が率先して処理する→「誰のか分からないから、ほったらかし」にはしません。印刷されてある内容から推察して印刷した本人に返すか、捨てて良いか聞きましょう(コンプライアンスに則って廃棄しましょう)。印刷主不明、捨てて良いか不明の場合の対応策もあらかじめ決めておき、ルール通りに処理します。
■そのほかにも、こんなことを教えてあげましょう
そのほかには、「廊下やトイレ、エレベーターはお客さまや上司を優先する」「清掃業者、ビル管理の方にもしっかり挨拶する」「会議ではいち早く会議室に着き、上司や先輩をお待たせする事のないようにする」「弁当の予約を頼まれたら飲み物も一緒に手配する」などなどの常識があります。
知らなくてできなかった、ということを、往々にして新人は「教えてくれなかった先輩・上司のせい」にします。ですから、「当たり前、というか常識でしょう。」と思われる事もちくちくと教えてあげるのが、相手のため、そして自分のためにもなることでしょう。
「そんな事知ってます。」とすげなく言われたら、「すごいね!」と褒めておけば問題もないはずです。
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