■新人研修の具体的な事柄についてお聞きしました
最終回となる今回は、新人研修の期間、内容の検討方法など具体的な事柄についてお聞きしました。
まずは研修の期間です。最も多かったのは1ヶ月で約4割でした。1ヶ月より長いところでは、最長3ヶ月というところがありました。研修期間が長いのはIT企業など、専門スキルを身につけないと実務に入れないというご事情がある企業さまがほとんどでした。逆に、研修自体にそこまで時間をかけられないというところでは、フォローアップやOJTでしっかりと教育を施そうとお考えのようでした。
■「知識・スキルを基点にして」のプログラム策定
プログラムの組み立て方についてもお聞きしました。多かったのは「知識やスキルを基点にして考える」というご回答。「現場で必要となる知識・スキルを洗い出してプログラムを作成する」というご意見が圧倒的でした。そのほか、「会社として教育すべき内容を整理して組み立てる」「会社の人材育成方針とリンクさせる」「予算やタイミングを鑑みながら決定する」というものもありました。
SEを育成するにあたって(従来は技術系研修の割合が多かったものですが)、顧客対応力を強化するため、ヒューマンスキル系の研修に注力されているというお客さまもおられました。まずは社会人としてしっかりとさせたいというニーズが高まっているようです。
■研修に付随する事柄もお聞きしました
集合研修のほかに、行うべきことはあるのでしょうか。これについてはおよそ45%のお客さまが「通信教育・eラーニング」の重要性を挙げていらっしゃいます。せっかく学んだ内容を忘れないようにするために、これらは非常に効率的です。また、「職場見学」「懇親会」などで、組織の雰囲気やヒトに慣れる機会を設けていらっしゃるところもあり、なるべく早く新人が組織に溶け込めるよう工夫されているようでした。
さて、新人研修を実施した後、その効果を持続させたり、高めたりするのは、なかなか難しいものです。研修の効果を高めるために行うべきことは何なのでしょうか。
一番多いご回答が、「先輩からのフォロー」。分からないことはないか、悩んでいることはないか、こまめに気を配ることが新人にとって何より効果的だとお考えのようです。
加えて、「自分自身に振り返らせる。その機会を持たせる」ことを重視されているという企業さまもありました。例えば技術系社員でも、こまめに電話応対をさせることで、ビジネスマナー研修の内容を定着させるところもあるようでした。
同じく「フォローアップの重要性」が最も多いご回答として挙がったのが、「現場配属により生じるギャップをどのように解消するべきか」という質問。適正が合わない、理想と違うなど、さまざまな理由からギャップは発生するものであり、これをすべて解消するのは難しいと各社さまお感じのようです。
その代わりに、社内コミュニケーションを積極的に取ったり、研修を通じて、「悩んでいるのは自分だけではない」ということに気づいてもらったりして、何とかギャップを縮めたいというご意見が寄せられました。
■最後に
新人の育成には正直なところ、「これだけすれば大丈夫」という定石はありません。なぜなら新人の傾向や、組織の形態・スタンスが日々変動するからです。しかし、新人研修を毎年見直し、ブラッシュアップすることで、組織をしっかりと支え、より成長させることのできる有能な人材が育成されます。
今回ご回答いただいたアンケート結果からも、「インソースであればこんなご提案ができるなぁ」と思う事柄がたくさんございました。今後、来春の新人育成にあたり、お困り・お悩みのこと、あるいは見直されたいことがございましたら、お気軽にご相談ください。どんなことでも結構です!
10回にわたってお送りしましたこのシリーズも、今回が最終回となります。お読みいただいた皆さま、またアンケートにご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。