ご自身が社会人になりたての頃、上司や先輩に「言われたことをただやっているだけではだめだ」と注意されたご経験はありませんか?
社会人は学生と違い、自分で考え、自分の判断で仕事の成果を出すことが求められます。とはいえ、何の基準もなく「とにかく自分で考えろ」と言われても、急には難しいものです。そこで今回は、自分で考え、仕事の成果を判断する上で、新人にもわかりやすいポイントを、ご説明したいと思います。
■仕事の成果を判断するポイント「QCDRS」
仕事の成果を判断するポイントというのは、挙げだしたらきりがありません。しかし、よほど特殊な職場を除けば、5つの要素さえ押さえることができれば社会人としては十分な判断ができるといえます。
その要素とは、
Quality(製品・サービス品質):相手が満足する水準以上であるか
Cost(コスト):より低コストであるか(時間・人件費等も含む)
Delivery(納期):納期は守れているか
Risk(リスク):リスクを把握し予防できているか
Sales(セールス):売上や契約高等の向上や仕事の価値を拡大すること
につながるか、以上5つです。
■「QCDRS」のバランスが大事!
これらひとつひとつの要素を追求した仕事をするのは簡単です。しかし、この5つの要素をバランスよく追求することが、社会人には必要なのです。
そのバランスを見極めるために、新人に課題を出してみましょう。たとえば、「明日の営業会議用にこの資料を30部コピーしてくれ」という依頼をしてみます。そして、新人にこの仕事における「QCDRS」を洗い出させます。新人がどう答えるかによって、社会人として何が出来ているか、逆に何が不足しているかが、明らかとなります。
「QCDRS」に沿って、
「コピーした資料に汚れはないか(Q)」
「両面コピーで紙を節約できないか(C)」
「明日の何時までに仕上がればいいか(D)」
「コピー機は使える状態にあるか(R)」
「この資料を加工したり、配布先を広げたりして再活用できないか(S)」
くらい考えることができれば、社会人としては合格です。
たとえ、模範的な回答が返ってこなくても、自分で何を考え、どう仕事の成果を判断すべきか?ゴールに近づけるためにどうしたらよいのか?などを、一緒に考えてあげることが、彼らの成長につながります。そうすることで、次第に自分で考え、仕事の成果を出せるようになってくれることでしょう。
そんな成長した彼らにとって、次に重要となるのが、「周囲とのコミュニケーション」です。先輩や上司の支援は不可欠であることを忘れさせてはいけません。
そこで次回は、新人に伝えたい「職場でのコミュニケーションの基本」についてお伝えします。
☆次回もお楽しみに!
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