■「現場」で本当に必要なスキルを取り入れる
皆さまがご認識のように、新入社員研修の最大の目的は、新人に「社会人・会社のメンバーとしての自覚を持たせる」「現場で"使える"社員」にすることです。新入社員研修の定番である「ビジネスマナー」や「報」・「連」・「相」など基礎的な内容は、誰がどのような研修をやってもほぼ同じといわれています。しかし、「型通り」の研修をこなしても、現場で必要とされるレベルをクリアしていない場合があります。
例えば、名刺交換の場合、講師は「いかにきれいに」渡すかを教えがちです。しかし、特に営業の現場では、お客さまに「きれいに渡す」より、「相手より先に渡すか」ということが勝負になってきます。ただ名刺を「きれいに渡す」だけの新入社員はやっていけません。
それを踏まえて、現場の部長クラスに新人にとって必要なスキルが何かをヒアリングしてカリキュラムを決めましょう。
■現場で「すぐに役立つ」基礎能力をきっちりと身につけさせる
現場で必要とされる能力は各部署で異なりますが、研修の後、新人がすぐに使える内容でなければ、研修をやる意味はあまりありません。
当たり前すぎて軽視されがちなエクセルとかワードなどの文書作成は、全員に基礎的な能力を身につけさせましょう。どこの部署でも必要なので、これができると現場は喜びます。また、新人も、基礎的な能力を身につけ、現場の仕事に早くから参加でき、先輩や上司などに喜ばれれば、自信をつけて、より良い仕事をするようになります。
■成功したからと言って、昨年と同じ研修を安易に行わない
昨年の研修が、「新入社員からの評判が良かった」「(段取り的に)うまく進んだ」からといって、今年の研修も去年と同じようにしようと思っていませんか? 研修のニーズは、毎年変わります。昨年の良かったことを活かすことも重要ですが、現場のニーズをヒアリングして「現場が求める人材」を育てられるよう、毎年、研修を見直すことが重要です。