■アンケートが辛(から)い
新入社員研修を実施していて、今年特に目立つこと。それは、
「アンケートが辛(から)い」ということです。皆さまの中でも、
思い当たる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
「○○は必要なかったのではないか?」
「○○は意味がない」
「○○はもっとこうした方が良かった」
というような、批評をするようなコメントが多く見られます。
例年あるといえばありますが、
今年は例年の5倍に増えたような気がしています。
■「アンケート」の意味を事前に伝えておく
受講態度は本当に良く、素直で、「大変ためになりました。
ありがとうございます!」と帰っていかれるのですが、「アンケート」
という言葉を聞いた途端、評価者になってしまうようです。
当社のある講師は、アンケートの前に「アンケートといっても、
皆さんは評価をするわけではないんですよ」という一言を
つけ加えているそうです。アンケートを何のために取るのか、
どういうことを書いてほしいのか、アンケートは誰が見るのか、
このようなことを説明する必要があるのかもしれません。
大学では「授業評価」というアンケートがあって、
教授の授業に対して学生が評価をするということが
行われていますので、その要領でアンケートを書いてしまう方も
いらっしゃると思われます。
■立場がわかっていない・・・?
原因は様々で、これだと言及するのは難しいのですが、
やはり、「立場がわかっていない」ということは言えると思います。
学生の立場と社会人の立場は違う、という部分が、
頭ではわかっていても、アンケートを書くという行動に
落とせていないのですね。学生と社会人の違いを理解させることは、
研修の中でもさんざん行っておりますが、
まだまだ現場での学習が必要です。
■アンケートの意味を教える
OJTをするときには、このあたりを具体的な行動で
お伝えいただくと良いと思われます。
例えば今回のアンケートであれば、「一言で『アンケート」といっても、
大学のときのアンケートとは意味合いが違うよね」と伝えるのは
1つの方法といえます。「大学のアンケートの場合、学生はお金を
払っているお客さまなので、お客さまとして書く立場であり、
自分たちの意見を言うことは歓迎されています。
しかし、研修は企業にお金を払って受けさせてもらっているもの。
研修で書くアンケートは、人事担当者や上司に提出するものなので、
自分が学んだことや今後活かせそうなことを書く必要があるよね。」
ということです。
ここまで丁寧に伝えると、新入社員は理解できるでしょう。
事あるごとに、このように立場の違いや物事の意味を
伝えていくことが必要です。
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