新入社員に対する育成で、育成担当の先輩方も苦労されていることと思います。
本日は、面談の1つのコツとして「承認のスキル」のお話をします。
■「承認」とはただほめることではない
「承認することが大切」といいますと、一見「褒める」ことと同義のような気がしますが、異なります。「承認」とは、継続的に相手の行動を観察し、その結果として相手の存在価値を認めることです。「自分に関心を持ってくれている」「自分の行動の過程を見てくれている」という認識が、部下・後輩のモチベーションに大きく影響を与えます。
相手の良いところをほめる・・・これは「賞賛」です。
相手が頑張ってきた過程+結果をほめる・・・これが「承認」です。
■他者との比較はしない
「承認」で大切なことは、相手個人の中での絶対的な成長の評価にポイントをおきます。誰かと比べてどうか、ということではなく、あくまでもその人だけを見て、過程と結果をほめること。これが「承認」です。
■「承認」を支える「観察能力」と「伝達能力」
「承認」を実際に行うときは、部下・後輩の仕事ぶりをよく観察し、一人ひとりの持ち味や強み、成長の様子を心にとめながら、適切なタイミングで的確なほめ言葉を投げかけることが大切です。不自然なタイミングでほめられても、相手はいぶかしがるだけですし、的を射ない内容でほめられても、おだてられているととられてしまいます。
「観察」のポイントは、長所に着目することと、変化に着目することです。
なお「伝達」のポイントは適切なタイミングで、的確な内容を伝えることです。
■一貫性のある「承認」が成長の実感を与える
「承認」のアクションに一貫性が保たれることで、部下・後輩に対する影響力はさらに高まります。部下・後輩は、上司・先輩にほめられることで自身の成長を実感し、また達成感を覚えるようになります。逆に、思いついた時に適当なほめ言葉を投げかけるようなことが続くと、効果がないどころか、逆に上司・先輩の言葉への信頼を失うことになりかねません。
■普段のコミュニケーションも大切
「承認」では、普段のコミュニケーションも大切です。まずは、挨拶をおざなりにしないようにしまよう。挨拶は、必ず顔を向けて行います。「おっ、今日は一段と声が明るいね」など、変化に対するコメントを加えることで、部下・後輩は「おざなりでないこと」を感じ取ります。
感じたことを率直に伝えることも大切です。「あなたの指摘のおかげで、お客さまに迷惑をかけずに済んだよ」と、率直に部下・後輩の功労をほめることが、「承認」としては一番効果的です。客観的に「良かった」と伝えるのではなく、"私"の気持ちとして伝える、という点がポイントです。
また、質問には必ずレスポンスするということも大切です。クイックレスポンスであるほど、受け取る側に「承認」されたという意識を持たせることができます。
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