指示したあとは、必ず指示した内容を確認します。
部下・後輩が正しく理解して、初めて指示が完了したことになります。後で部下・後輩の理解が不十分だったことが分かったときに、「私は言ったはず」や「あの時『分かりました』と言ったじゃないか」と不満を口にするのは、OJTトレーナーとして失格です。
■指示した内容を確認する方法
(1)指示した内容を口に出して確認させる
部下・後輩に「分かった?」と聞くと、反射的に「はい」と答えてしまうものです。「じゃあ、何をしなきゃならないか、最初から言ってみて」というように、自分でやるべきことを口に出して確認させることで、理解度をはかることができます。
(2)答えを与えすぎない
一方で、少しでも分からないことがあると、すぐに質問してくる部下・後輩もいます。ただ、聞かれたこと全て答えていると、自分で考えたり、調べたりすることを怠るようにもなりかねません。与えるのはヒントにとどめ、自分で解決できるように仕向けることも必要です。
(3)最後にもう一度質問がないか聞く
疑問の余地のないくらいに具体的に指示を与えたつもりでも、必ず最後に「何か質問がないか」を確認します。知識や経験がまだ乏しい部下・後輩にとっては、予想外のところに「疑問」や「迷い」を持っていることがあります。質問を促すことを通して、互いの認識のズレを防ぐことができます。
■お互いの常識をすりあわせることも大事
教える側と教えられる側とでは年齢も経験も差があります。したがって、お互いの価値観や発想のパターンにも違いがあるのは当然で、コミュニケーションの前提となるお互いの「常識」をすりあわせておくことも必要です。