指示した仕事を部下・後輩がきちんと遂行できているかを確認するためには、部下・後輩からの「報告」が欠かせません。指示した仕事の所要時間によって、報告のタイミングと意味が変わってきます。
■報告のタイミング
ア.すぐにできる仕事は「完了時」に報告
さほど難しくない仕事を部下・後輩に指示する場合は、完了次第、報告を上げさせるようにします。完了の報告を受けたら、次の指示をすれば良いので、常に後輩の仕事を気にする必要が無く、育成指導者は自分自身の業務に専念することができます。
イ.時間のかかる仕事は「中間」で報告
ある程度の大きさの仕事を部下・後輩に依頼する場合は、一定のタイミングで「中間報告」をさせます。単発の業務指示と違って、「かたまり」で仕事を依頼する場合、予想以上に仕事の進みが悪かったり、意図したものと方向がずれていたりすることもあります。一定の時期に中間報告をすることをあらかじめ決めておくことで、早い段階での修正や支援が可能になります。
また、最後に結果の是非を伝えられるよりも、こまめに軌道修正を受けるほうが、部下・後輩にとって自分に何が足りなかったのかが認識しやすくなり、教育効果を高めることができます。
ウ.想定外のことが起きたら「すぐ」に報告
部下・後輩にとって、想定外の状況に遭遇した場合には、すぐに報告をさせます。素早い対処が求められる状況では、部下・後輩指導よりも問題の解決を優先し、すみやかにその業務を引き継ぎます。
■報告を受ける際の留意点
ア.報告のタイミングを部下・後輩に任せない
「報告を上げるまでは次の指示は与えられない」と分かると、部下・後輩は自分で報告のタイミングをコントロールし始めます。報告のタイミングを部下・後輩に任せてしまうのではなく、定期的あるいは不定期にOJTトレーナー側から催促するようにします。そうすることで、部下・後輩に程よい緊張感を与え、成長の「伸び悩み」を防ぎます。
また、ある程度仕事に慣れてからは、複数の仕事を同時に与え、自分でそれらの進捗を管理させることも、業務遂行能力をアップさせる上で有効です。
イ.悪い報告こそ大事
部下・後輩は、上手くいったことは自分から報告したがります。逆に、あまり上手くいっていないことについては、できれば報告したくないと思うものです。上司・先輩として把握すべきは後者の方です。報告したくないことを、いかに報告しやすくするか、という配慮が、上司・先輩には求められます。その意味でも、一定のタイミングでの中間報告を義務づけることは有効です。
☆次回もお楽しみに!