叱る」こともまた、OJTトレーナーの仕事です。ただし、叱ることと怒ることを混同しないよう注意が必要です。
・叱る・・・相手の成長を願ってのこと(相手の人間性を守ること)
・怒る・・・自分自身の感情をぶちまけること
この点を理解したうえで、「叱る」を実施しましょう。
■叱り方の「手順」の理解
STEP1 叱るべき内容を判断する
・叱るべきことに対する判断基準を持つ
・叱る前にちゃんと教えたかどうかを振り返る
・原則として、一回に叱る内容は一つにする
・特に、新人への指導は、本当に本人に原因があるのかをきちんと確認
する
STEP2 叱るタイミングを慎重に決める
・緊急なトラブルや、重大な規則違反⇒直ちに
・それ以外⇒部下・後輩の仕事が一段落した時
STEP3 考え・気持ちを伝え、フォローする
・どのような言動について、なぜ指導するのかを、簡潔に話す
・その言動が部下・後輩にとって適切でないことを伝え、反応を見る
・「あなたともあろう人が、そんな言動を取るのは残念だ」という気持ちを
伝える
・自分の経験談(失敗談)や部下・後輩への期待を伝え、フォローする
■「叱る・指導する」際の心構え
「叱る・指導する」ことが、「相手のため」であるという姿勢を明確にすることが重要です。指導した点を改善しないと同じ失敗をすることや、お客さま・利用者や自分に危険が発生するなど、改善を求める理由をできる限り明確にします。そうすれば相手も受け入れやすい上に、「自分のためを思って言ってくれている」と感じるものです。
■新人のフォローは入念に
最近の若年層には、失敗や挫折経験が少ない人がいます。よって、フォローが適切でないと、「人生で初めて叱られた」という挫折感から、転職を選ぶ可能性もあります。「改善のキッカケ」であると前向きに考えられるようにフォローしましょう。