■部下・後輩が言いたいことを最後まで聞く
部下・後輩が不平不満を訴えてきた時に、こちらの先入観で話の腰を折ってしまうと、言いたいことが言えなくなってしまい、「言っても無駄だ」と考えるようになりかねません。未熟さゆえの不平不満である場合も少なくありませんが、まずは受け止めてあげることが大切です。話を聞くことで、部下・後輩の気がすむこともあります。
■話を聞いた上で、解決か説得かを見極める
部下・後輩の不平不満を通じて、解決すべき課題点が明らかになることもあります。事実に基づいて部下・後輩の話を整理し、その真相を見極めたうえで、解決すべき課題と捉えるのか、言い聞かせるべきこととみなすのか判断します。
■普段から部下・後輩に関心を持つ
唐突に部下・後輩から不平不満を訴えられると、OJTトレーナーとしても戸惑うものです。普段から、部下・後輩が何を気にしているのか、何に疑問を感じているのかを気にかけ、こまめに「ガス抜き」をしておくことも、ストレスを溜め込ませないうえで大切です。
----------------------------------------------------------------------
【ケース1:わがままな部下の場合】仕事を選り好みする
私の部下は、非常にわがままです。普段は優秀でいいのですが、手間のかかる業務や苦手な業務をお願いすると、表情を曇らせたり反抗的な態度に出ることがよくあります。どう対処したらよいでしょうか?
----------------------------------------------------------------------
■部下・後輩の不平不満を受ける際のコツ
(1)部下・後輩のタイプを理解し、不平不満の深刻度を判断する
不平や不満という感情は人それぞれの価値観によるところが大きく、不平不満が多い人もいれば少ない人もいます。部下・後輩のタイプを理解し、不平不満の深刻度を判断します。
(2)部下・後輩の話をきく、原因を確認する
次に相手が不満に感じたポイントをきき、原因を正確にとらえてから、その後で軌道修正を促すようにしましょう。その際、部下・後輩が「育成担当者は私の話をしっかり聞いてくれている」と感じさせることが重要なポイントです。
(3)仕事のメリットを説く
特に、新しい業務を任せる時は、なぜその仕事が必要なのか、それが相手にとってどんなメリットがあるかを説明して納得してもらいます。また、「頼まれた業務を笑顔で引き受ける姿勢」が、自分自身の評価につながることをしっかりと伝えることも必要です。
■良い声かけ、悪い声かけ
○「あぁ、なるほどね。××という気持ちだったんだね。でもね・・・」
○「そうだね。実は私も昔はそうだったんだ。」
○「○○さんは××ということが不満なのかなあ?
(問題だと思っているのかな?)」
×「言いたいことは、はっきりいいなさい!」
×「なんだ!? その態度(言い方)は!」
■アドバイス
育成担当者は相手の不平不満を受け止めてあげることが大切です。しかし、それが解消すべき問題か、主観による問題かを、客観的に判断しましょう。単なるわがままであれば、その理由を具体的に述べて諭し、正当な要望である場合は、それを受け入れ、適切な対応を心がけましょう