部下・後輩を直接指導するOJTトレーナーの指導の仕方や内容に気を配り、支援をするのがOJT監督者の役割です。
実際にOJTを始める前に、OJT監督者とOJTトレーナーとの間で、部下・後輩に対する指導方法をすり合わせしておくことで、OJTが円滑になります。
今週は、部下・後輩に対する指示の仕方についてのポイント、共通認識すべきことについてお伝えします。
■「仕事の意味」についてのすり合わせ
部下・後輩には、ひとつひとつの仕事の意味を理解させることを指導の中心におきます。その時に、「仕事の意味」についての解釈がOJT監督者とOJTトレーナーとの間でズレていては、部下・後輩への指導にもズレが生じてしまいます。
■「具体的な行動指示」についてのすり合わせ
実際の仕事のやり方を具体的に教えるにあたり、1)なぜ、2)誰が、3)いつまでに、4)どのような行動を、5)どのような点に注意しながら、伝えるべきかを、OJT監督者とOJTトレーナーとの間で明確にしておきます。
■「期待水準」についてのすり合わせ
いつまでに、どのレベルにまで達して欲しいのかをOJT監督者とOJTトレーナーとの間で共通認識として持っておくことが、育成目標の達成のためには不可欠です。
■トレーナーの活動状況を把握する
OJT監督者は、育成計画通りに部下・後輩が育っているかということと同時に、その育成に携わっているOJTトレーナーがその役割をきちんと果たすことができているか、ということについても把握をしておきます。
そのためには、普段からOJTに関心を向けることが大切です。
「調子はどう?」などと声をかけながら、OJTトレーナーとその指導を受ける部下・後輩双方の様子を定期的にうかがうことで、問題の芽を早期に発見することができます。
また、定期的にOJTトレーナーからOJTの報告書をあげてもらい、それを前にしてミーティングを行うことも有効です。ただし、報告書の作成については、OJTトレーナーにあまり負担にならないように配慮することが必要です。
さらに、OJTの進捗状況を定期的に聞き、部下・後輩の育成ぶりを適正に評価してフィードバックすることで、OJTトレーナーのモチベーションを維持することができます。
また、人は自分の利益になることに対しては強いモチベーションを持つものです。OJTを通じて本人が得るメリットに気づかせることも、大きな動機付けにつながります。
☆来週につづく