■タイムマネジメントの原則
(1)「目的」「目標」はじっくりと考える
単純に、時間をできるだけ削るのがタイムマネジメントと思われがちですが、時間を削る部分は作業の部分であって、その他の部分、特に「目標」の設定にはじっくりと時間をかける必要があります。
目標を設定するうえでの留意点は以下の5つです。
1.具体的に数値で示す
~これは他人でも評価できるようにしておくために必要です。
2.期限を必ず設定する
~期限がない仕事はありえません。期限を設けないと、いつまでたっても仕事が終了しません。
3.目標を、プロセスではなく、結果で示す
~プロセスはあくまでも手段ですから、目標は結果として示す必要があります。例えば、営業で「1日に30社訪問する」という目標ではいけません。「1日に3社と成約する」という、結果を明示する目標にしなければいけません。
4.チャレンジし甲斐があって、実現可能なもの
~一般的に、すぐに実現するものだけを目標とする傾向が強いのですが、ある程度高い目標に敢えてチャレンジすることも重要です。
しかし、やみくもに高い目標を設定しても、失敗するのは目に見えています。自分の現状を認識して、少しがんばればできるぐらいの目標がベターです。
5.上司が期待するよりも少し上の目標を設定する
~目標を設定する際は、自分の視点に加え、目標を評価する上司の視点で設定する必要があります。
(2)自分のビジネススタイルに合う方法をみつける
少し極端ですが、以下の4つのビジネススタイルは、肉体的・精神的な個別差を考えると、それぞれに良し悪しがあり、どちらの形が良いかは一概にいえません。
1.簡単なものから着手/重要なものから着手
2.睡眠時間を削って時間を確保/睡眠はしっかりと取る
3.期限を気にして仕事をする/追い込み型で仕事をする
4.同時並行して様々な仕事をする/一つ一つ着実に仕事をこなす
自分がこの4つのタイプにおいて、それぞれどちらで仕事を行うかについて、再認識しておくことも、タイムマネジメントを行う上で重要です。
■タイムマネジメントの留意点
タイムマネジメントを行う上では、時間の使い方とその配分に留意する必要があります。
(1)時間の使い方 ~仕事に優先順位をつける~
仕事は、「緊急」「緊急ではない」と「重要」「重要ではない」という項目で4つのマトリクスに分けられますが、
このうち、タイムマネジメントのキーポイントになるのが、「緊急ではあるが重要ではない」仕事です。
この仕事をいかに手早く済ませ、「緊急ではないが重要」な仕事にいかに注力できるかによって、タイムマネジメント力が問われます。
優先順位の高い2割の仕事に特化して、その他の仕事にかける時間を節約し、別の仕事のために時間を充てるという時間の使い方の方法もあり、実際にその方法で成果を出している例もあります。
この方法は、「仕事に優先順位をつける」という点で非常に重要ですが、高いマネジメント力やセンスを必要とするので、場合によっては、自分のワークスタイルに合わせた方法のほうが無難かもしれません。
(2)鳥瞰的に時間配分する
仕事は一つ一つ動いているのではなく、同時進行で様々な仕事が走っているケースがほとんどです。よって、仕事は客観的に全体を俯瞰的に見つめ、計画的に行う必要があります。
<計画的に仕事を行うための5つのポイント>
A.効率的なスケジューリング
~自分が仕事に使える「持ち時間」とやるべき「仕事の量」をはっきりさせること。
B.中断しない時間を確保
~人が来ない場所や電話がかからない場所で仕事をする。電話は折り返し電話を依頼するのではなく、なるべく自分から掛けるようにすると、比較的自分の思うように時間が使いやすいでしょう。
C.所要時間が不明な仕事は、実際に行って作業量を見積もる
~所要時間がわからない仕事は、試しに着手してみて、作業時間の見通しを立てます。どんな仕事でも、30分くらい行えば、仕事全体のおおよその作業時間が分かります。
D.作業時間を設定
~自分の作業目標も兼ねて、自分の仕事の作業時間を設定するのも効果的です。例:営業訪問1件40分、テキスト作成1件3時間など。
E.完成する前に一度"ねかせる"
~最初に行った仕事や、最初に立てた計画などに固執せず、検証の期間として1週間くらい仕事の作業を止めて、全体を見直すことも重要です。そうすることにより、仕事や計画の「ムリ」「ムダ」「ムラ」が表面化することもあります。
■組織としてのタイムマネジメントの参考例
(1)自分だけの仕事を絶対に作らない
~その人にしかできない仕事を作らず、少なくとも一人は同じ仕事をできる人物を作る。
(2)整理整頓をする ~不必要な資料を捨てる
~資料のファイリングをきちんとし、必要な資料をできるだけ捨てることが重要。捨てるコツは、半年なり1年なり期間を決めて、その間使用しなかった資料は捨てること。
(3)わからないことは教えてもらう ~仲間の時間をもらう
~若手社員の場合は、よく仕事を知っている人を探す。ベテラン社員の場合は、率直に若手に分からないことを聞ける勇気を持てるかが重要。仲間の時間をもらって自分の仕事につなげることも、時間の効率的な使い方です。
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