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上林憲雄氏「現在求められる中間管理職の役割」

上林憲雄氏「現在求められる中間管理職の役割」

┏─────    本日のビジネスパーソン  ──────┓
        
       ◇上林 憲雄氏(Norio Kambayashi)◇
  英国ウォーリック大学経営大学院ドクタープログラム修了後、
2005年神戸大学大学院経営学研究科教授、経営学博士。
専攻は人的資源管理、経営組織。
 ┗─────────────────────────┛
■はじめに
 
本日は、「日本型経営を支える管理職の役割」という大きなテーマでお話をさせていただきます。
従来の日本的・日本型経営の中心と言えば現場のブルーカラーでしたが、 これからの新しい日本的経営はミドルマネージャー(中間管理職)の果たす役割が非常に重要になってきます。
そこでまず、現在求められている「中間管理職の役割とは何か」という点についてまずお話ししたいと思います。
それから成果主義の問題です。成果主義を導入する上での問題点、また成果主義を成功へと導くためのポイントについてもお話しします。
また時間の関係上あまり触れられませんが、90年代後半から「エンプロイヤビリティー」(雇用されうる能力)という言葉が盛んに使われておりますが、エンプロイヤビリティーを高めるとはどういうことなのかについても、時間の許す限りお話したいと思っています。
そしてここ数年盛んに言われております「ワークライフバランス」の問題です。 これは、「仕事と生活の調和」と訳されることが多いですが、 日本の企業でこのワークライフバランスを高めて行くには、
どのようなことをしなければならないかについてもお話しさせていただきます。
■HRMに関するマネジメントの課題
私はいつも企業経営の問題を考える場合は、「全社レベル」「マネジメントレベル」「現場レベル」という3つの階層に分けて捉えています。
そしてそれぞれの階層が市場や社会や技術の変化によって、どのような影響を受けるのかといったフレームワークで企業経営の問題を考えています。
本日はマネジメントレベルの問題が中心となりますが、HRM(人的資源管理、ヒューマン・リソース・マネジメント)との関係では、ここ数年あるいはもう少し以前から、 ITの影響でよく言われております。「組織フラット化」や、「エンプロイヤビリティー」、「ビジネス教育」、「成果主義やポスト成果主義」、「キャリア・マネジメント」、「ダイバーシティーマネジメント」、「ワークライフバランス」などが人事上のトピックスとしてあげられます。
■中間管理職の役割
また、本日は、「課長クラスのマネージャー」を中間管理職としてお話ししますが、かつての役割は大まかに言いますと、「リエゾンロール」(上下のつなぎ役)としての役割が大きなものとしてありました。
しかしこれから求められる中間管理職の役割として、 もちろん「リエゾンロール」も重要ですが、それだけではなく、 トップマネージメントにコミットするような「戦略志向型のマネージャー」としての役割が重要になってきます。
「戦略志向型のマネージャー」を育成するためには、 「自律」、つまり自分で物事を考える力を付けることが必要になってきます。
■IT革命
1990年代後半ごろ、「ITで仕事と組織が変革する」、「IT革命」という言葉が頻繁に出てきました。
何か新しい概念のようにマスコミにも取り上げられましたが、 実はITが組織や仕事にどういう影響を与えるかという話は、 経営学や学問の世界ではもっと以前から議論されていました。
古くは1960年代から70年代にかけて、当時はITという言葉よりもME(マイクロ・エレクトロニクス)が用いられ、主に現場にME機器を導入するといった話でした。
それがITと呼ばれたりICT(インフォーメーション・コミュニケーション・テクノロジー)と呼ばれたりするわけですが、それをひとまとめにしまして、新技術としてのITシステムと呼ばれることが多くなっています。
■技術と組織との関係
また、経営学では、技術と組織の関係を捉える三つの考え方があります。 1つは技術決定論、2つ目は組織決定論、3つ目は相互作用論です。
まず「技術決定論」ですが、これは技術によって仕事や組織が決定付けられるという考え方です。つまり技術を導入すれば、どこの組織でも大体似たような仕事の仕方や組織構造をとるようになるという考え方です。
次の「組織決定論」は、技術の影響力は確かにあるが、それは組織の考え方や経営者の発想により自由に変えられるという考え方です。
3つ目の相互作用論ですが、技術も組織もどちらの影響もあるという考え方です。
歴史的背景で言いますと、1960年、70年代は圧倒的に「技術決定論」的な意見が学会を占めていました。
それが80年代以降、技術の影響は組織の決定により変わるという「組織決定論」の考え方を取るようになってきました。
「技術決定論」的発想から脱却し、組織サイドの主体性(選択可能性)を認める方向に向かったのです。
■IT技術による仕事・組織の変革
では具体的に、ITで仕事と組織がどう変わったのかということですが、私は1990年代の半ば頃に日本の一部上場の大手企業を対象に、課長さんの職務内容の変化について実際に調査を行いました。
調査項目は、「情報交換頻度」や「会議の回数」、「職務内容の多様化」、「予測不可能な業務数」、「管理的業務の量」、「戦略的業務の量」、「他セクションとの調整業務の量」といった、多岐項目に渡る調査でした。
私は、IT技術の影響を受けることで、「管理的な業務量が減少し、代わりに、戦略的な業務量が増加する」という風に推測していましたが、実際は、すべての項目においてかなりの量の業務量が増加しているということが判明しました。
具体的には、ITを導入することにより、「会議の回数は減少する」と予測していましたが、むしろ増加していました。
その結果、課長クラスの方はITを導入したことで逆に仕事量が大きく増加してしまい、どのように自分をコントロールすればいいのかが、分からなくなっているケースが多くありました。
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最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

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